風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

2006-01-01から1年間の記事一覧

良いお年を! ^^

今年もあと一日を残すのみになった。 仕事が休みに入って昨日、今日と掃除をしたり、本を整理したり、買い物に 行ったり正月休みは誰もそうだろうけれどせわしない。 それにしても最近、一年が過ぎるのが本当に早い。今年は結局、35回出張に行ったことにな…

「硫黄島からの手紙」

エンドロールが流れる中、僕は失望感を噛みしめていた。 期待が大きすぎたのだろうか? 心の中に浮かんでいた言葉は「既視感」だった。 「父親たちの星条旗」には感じなかった既視感。 予告編の内容から「こんな映画なのではないか」と胸の内で想像していた…

「敗因と」

ドイツワールドカップでの日本代表チームの内幕の様子を50人以上の選手、 関係者に取材した内容をまとめた本である。ネットのコアなサッカーファンに 評判のよくない著者だったのが気になったものの買って一読してみた。結論から言うと、一部に軽い(ある…

一生を終えて残るもの 〜「氷点」を読んで(2)

三浦綾子「氷点」「続・氷点」には心に残る言葉が沢山でてくる。 中でも僕にとって非常に印象深く響いた言葉がこれだ。【引用始まり】 --- 一生を終えてのちに残るのは、われわれが集めたものではなくて、われわれが 与えたものである 【引用終わり】 --- 実…

モレスキン 〜 僕の宝物(4)

仕事で使うノートブック、これまでいろいろと使ってきたけれど、これこそは! というノートに出会いました ^^ イタリアのMOLESKINE(モレスキン、モール スキンとも呼ばれる)のPocketノートです。 サイズは9cmx14cm。 普通のノートよりはずっと小さく、手帳…

サッカーの戦略論

サッカーというスポーツの戦略について考えてみたい。 サッカーについては戦術論、システム論はいろいろあり、そういうのがお好きな 方はネット上にも沢山おられるようですが、ここではもっとずっとベーシックな 部分について考えてみたいと思う。複数の人間…

「父親たちの星条旗」

「平和を欲するなら、まず戦争を理解せよ」 著名な戦史研究家バジル・リデル・ハート卿の言葉である。 しかし我々が知っている戦争とはどんなものだろう? TVが伝えるイラク戦争の映像だろうか? そして学校で習う日本史、戦争文学や戦争映画。 せいぜいそ…

三浦綾子「氷点」を読んで(1)

三浦綾子の小説は「塩狩峠」しか読んだことがなかった。 「塩狩峠」は高校時代に友人に強く薦められて読み、強烈に感動したのだが、 その友人に「どうだ。いい小説だったろう?」と得意げに言われて(若さゆえ) 反発しあれこれと難癖をつけたことを思い出す…

手紙

先日、TVドラマ「氷点」を見た。 ちょうどこの原作を読んでいるところでもあって、内容についていずれ記事でも 触れようと思ってはいるけれど、今日はちょっと些末なことを。このドラマの後半で、主人公の陽子と陽子の兄の友人・北原が手紙をやりとりする …

リミッターを外す

心のリミッターを外す、って意味はお分かりでしょうか? アスリートが自分の力の極限まで絞り出すときに使う手法だ。 一般の人間は筋肉や骨の破壊を避けるために、実際の体組織が破壊する強度の かなり手前で心が無理な力を出さないようにコントロールしてい…

ふるさと

僕は都会生まれの都会育ち。 そして生まれてからこのかた、生まれた土地の比較的近辺で暮らして現在に至って いる。だから僕は自分が「ふるさと」というものをわかっていないように思う。 歌や小説や詩などには「ふるさと」について語ったものが沢山ある。 …

砂時計のように

砂時計の砂のように毎日があっという間に過ぎる。 「忙しい」なんて言葉はブログに書きたくないのに、悔しいけどそんな毎日。 余裕がないのだな、と思う。今日も誰もいないオフィスで朝8時半から夕方6時 までおにぎりを食べる10分間を除いてとことん集中…

頑張れる理由

僕の一年上の先輩が会社を辞めることにしたということで、先日一緒に食事をして 話を聞いた。 「これ以上頑張る理由が見つからない」のが理由だと言う。先輩が所属している部署は、今、業績が最低でボーナス・昇給の面で非常に辛い状況 に置かれている。おま…

吉田拓郎と中島みゆき

この秋、つま恋で「吉田拓郎&かぐや姫in2006」なるライブコンサートが行われ、 その中継がNHKで流れたのを知っていますか? 僕もこれを見た。 自分について言えば、吉田拓郎の音楽からは遠かったし、かぐや姫の曲は彼らが 解散してから知った、というよ…

狂気潜むもの

昔々の大昔、まだ子供だった頃、僕はプロレスが大好きだった。 何せ定期入れの中に入っていたのはアントニオ猪木が鬼のような形相で拳を握り しめた写真だったほどである。 とまぁ、こんな話を書くとそれだけで引く人もいらっしゃるでしょうが、まぁ ともか…

「発散系」「集中系」「脱力系」

二つ下の記事でのあづみさんとのコメントのやりとりがきっかけになって、趣味 (気晴らし)における「発散系」「集中系」そして「脱力系」について考えていた。仕事以外の趣味(気晴らし)の世界を、誰もが多かれ少なかれ持っているはずだと 思う。そして趣…

吉田秀和のこと

先ほど帰宅して夕刊を開いたら吉田秀和が文化勲章を受章した、というニュース があった。僕は勲章と名のつくものはロクなもんじゃない、と思っている人間だけど このニュースは正直嬉しかった。 僕はこの人が書く文章が大好きだから。吉田秀和はクラシック音…

音楽会

久しぶりに音楽会へ。 演奏者は一人のピアニストと二人のヴァイオリニスト。 250席ほどの小さなホール。 有名な演奏者ではないし、ごくごくローカルでintimateな音楽会。 しかし想像以上に楽しく、想像以上にこころが癒された。まず演奏されたのはピアノ独奏…

トーストラック

初めて英国に出張したとき、朝食のトーストの厚さに驚いた。 日本のサンドイッチ用10枚切り程度の厚さしかなかったから。 それが何枚も焼かれてトーストラックに立てられてやってくる。 焼いたトーストは決して平置きにしないのだ。 よく考えてみると、それ…

自分の哲学

若い頃、人生で起こること、世界で起こること、何についても明確な答えを一瞬 で出したい、と熱望していた。確固とした自分の哲学を、社会観を、生き方を 持てば、きっとそうなれるはずだ、と思っていたのだ。 それからいろいろ本も読み、いろいろな人の生き…

メンタル・タフネス

とても面白いことを書いているのに、翻訳がどうしようもないのだ。 とにかく読むのに骨が折れる上に理解しにくい。 自分のストレスをうまく処理する一助にこの本を買ったのに、これだとストレス が逆に溜まるばかりである(笑)この本の著者はスポーツ心理学…

仕事と生き甲斐

会社で先輩に「もうちょっと息を抜きながら働かないと死ぬぞ」と言われてしまった。 あちこちで「疲れた顔をしている」だの「体を壊しても誰も褒めてくれないよ」などと 言われる。 確かにそうだ。 もしも病気などしたら、職場にも家庭にも迷惑をかけること…

美瑛で考えたこと

丘の風景が美しい北海道・美瑛を旅して一週間が過ぎた。 激しい精神的打撃を受けたことも薄皮が張るように少しずつ癒えて、心はいつしか 平常心を取り戻している。 人間の心というのはタフに、そして便利にできているものだ。 いま、写真ブログPHOTO ALBUMに…

美瑛の丘

新千歳空港でレンタカーを借りて3時間、旭川を経由して美瑛に向かう。 旭川からの国道237号線沿いの風景はしばらくは見慣れた日本の沿線の 風景なのに、あるところから急に風景が変わる。ここは南ドイツだ、と思った。 ミュンヘンからオーストリアのチロ…

北海道へ

明日から3日間、北海道一人旅してきます。 楽しみだった旅行寸前の今日、仕事で破壊的な事態が発生したため、精神状態 があまりよろしくないまま出かけなければならないのは、いささか残念です。こちらに何も落ち度はないし、間違ったこともしていない、そ…

春の日は過ぎゆく

「八月のクリスマス」のホ・ジノ監督の作品、ということでこのDVDを見た。 ほんとうに久しぶりに見る恋愛映画だったけれど感じるものがいろいろあった。 見た後、ネットのあちこちに書かれているレビューを読んだけれども、僕のような 感想は見あたらなか…

冥王星

少し前に、冥王星が惑星から外れることになった、というニュースがあった。 これを聞いて複雑な思いが去来した。僕は、冥王星以外の惑星は全部見たことがある。水星は太陽に非常に近いところを回っているのでなかなか見るのが難しく、 太陽から見かけ上離れ…

ローマ貴族に生まれていたら

毎晩豪勢な宴席に連なり、満腹になったら鳥の羽でのどを刺激して嘔吐してさらに 食べ続ける、というような日々を当たり前と思っていたのだろうか? あるいは、アフリカの干ばつ地域の農民に生まれていたら、日々の食を確保する こと、家族の命を守ることがほ…

氏か?育ちか?論争

人の性格や行動は何によって決まるのだろう? 遺伝?それとも環境? 僕は不勉強にして生物学的にはこれに答が出ているとは知らなかった。【引用始まり】 --- 100年以上続いたこの論争は、「氏」か「育ち」か論争、として知られているが、 今や完全に無効…

最低共通文化

筒井康隆の小説「美藝公」の中で、登場人物たちが”こんな風な悪夢のような 社会(実は現代日本そのままなのだが ^^;)”がもしも存在したら、と想像し つつ議論するシーンがある。【引用始まり】 --- (その社会では)「オーケストラの演奏会などというのも、…