風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

色とりどりの風景

「暁の寺」三島由紀夫より抜粋

7月初旬に出張でタイに行き4日間を過ごす。 仕事のミーティング、行事がすし詰めだけれども、せめて三島由紀夫が 「暁の寺」で描いたワット・アルンだけでも見てみたい。 以下、「暁の寺」から抜粋: 本多はきのうの朝早く、舟を雇って対岸へゆき、暁の寺…

K20ノルトライン・ヴェストファーレン州立美術館

欧州出張の最終日、出発便までの時間を利用してデュッセルドルフのK20美術館 に行って来た。K20は正式名称をノルトライン・ヴェストファーレン州立美術館 と言うそうで、現代美術を収蔵する美術館なのだが、実はここには相当に充実 したモダンアートのコレク…

新潟・十日町へ

上越新幹線に乗り、仕事で日帰りで新潟県十日町へ。 東京からおよそ2時間半の道のりである。 出張だったのだけれど、なんだか日帰り旅行のような楽しさのある出張だった。 だからここに記録しておきたい。越後湯沢で新幹線を降り「北越急行ほくほく線」とい…

シカゴの休日

仕事が順調に進み昨日でシカゴでの仕事は終わり。今日は当初予定して いなかった休日となる。幸いにして昨夜9時間爆睡できたため時差ボケ も感じず、天気も快晴で、気温も氷点下2℃と暖かい。 これは外出せねばなるまい。 ホテルを出てシカゴのメインストリ…

ウィーン高射砲塔(ウィーンにて④)

ウィーンのホテルから取引先のオフィスに向かう途中、奇妙な四角い建物 が見えた。あれは何ですか?と尋ねたところ、彼らは「第二次世界大戦中に 作られたBunker(掩体壕)だ」と言うのだが、見た瞬間、僕はこれがあの 「ウィーン高射砲塔」だ、と直感した。…

19・20世紀美術館(ウィーンにて③)

もう少しウィーンの事々を続けたいと思う。 ウィーン美術というと世紀末の画家、グスタフ・クリムトが挙げられる。 特に有名な絵は「接吻」。この作品を含むクリムトの作品の多くがベルヴェ デーレ宮殿の19・20世紀美術館に展示されているということで見…

ウィーン歴史美術館(ウィーンにて②)

これまでに僕が見たフェルメールの作品は全部で15点。 今回のウィーンの歴史美術館訪問でもっとも楽しみにしていたのは、もちろん フェルメールの「絵画芸術」を見ることだった。これは以前の展覧会で日本に 来る予定だったのがこなくなったいわくつきの絵で…

色褪せてゆく事々(ウィーンにて①)

海外出張中でウィーンで週末を過ごしている。 僕がウィーンに初めて訪れたのは確か1998年。取引先の人たちと同行で 一泊二日程度の駆け足で過ごしたのだが、その時「ああ、この街は素敵だ。 いつかきっとまた訪れよう」と痛切に思ったことを覚えている。 街…

ヨーロッパ出張の楽しみ

9月早々、ヨーロッパ出張がある。 期間は2週間以上で、ドイツ、オーストリア、デンマーク、イギリス、 アイルランドを巡る長い旅だ。僕のこれまでの出張は余裕がない仕事 中心のものが多かったけれど、今回は我儘を言って意識的に自分の楽しみ を盛り込ん…

Terrible !

アメリカ・ケンタッキー州の「Terrible !」なホテルにいる。 口コミに違わぬほんとうにTerribleなホテルだった。 いや、正確にはホテルではない。 これはアメリカ映画に出てくる、極端に程度の悪いロードサイドの 安モーテルだ。壁はベニヤで穴だらけ。 じゅ…

スウェーデンの湖で鱒釣り

北欧4カ国のうちでトランジットは別として一度も訪れたことのない国、スウェーデン を出張で訪れた。噂に違わぬ美しい国である。その中でも今回、取引先のセッティング で森の奥深くにある湖でルアーを使った鱒釣りをした。 ルアー釣りそのものが僕には初め…

瀬戸内の旅(終)−犬島アートプロジェクト−

4回に渡る旅行記も今回で最終回である。 - 豊島を後にして、僕たちの船は犬島に向かう。 ここには犬島アートプロジェクト「精錬所」という美術館と、直島と同様の 「家プロジェクト」がある。 犬島アートプロジェクト「精錬所」は、犬島に残る銅製錬所の遺…

瀬戸内の旅(3)−豊島美術館−

地中美術館を後にして、直島の「家プロジェクト」を回った。 これは直島の民家を改装(あるいは新築)して、アート作品を展示しているものだ。 いくつか回った中で、地中美術館で印象的だったタレルの作品が収蔵されている 「南寺」が印象的だった。安藤忠雄…

瀬戸内の旅(2)−地中美術館(続き)−

次に僕が足を踏み入れた「オープン・スカイ」には息を呑んだ。 大理石の壁、床、そして天井には大きな長方形の穴がぽっかりと空いていて、青空が 見えている。ただそれだけの作品。 それがどうして僕がそれほど驚かせたのか。 たまたま雲一つない秋晴れだっ…

瀬戸内の旅(1)−地中美術館−

休みを取って以前から興味があった瀬戸内海のいくつかの美術館をめぐる旅に出た。 パックで、直島、豊島、犬島をめぐるツァーである。 幸い秋晴れで絶好の旅行日和だ。 最初に訪れたのは、直島。 岡山の南にある宇野の港から船で渡って安藤忠雄設計の地中美…

フェンウェイパークの松坂

アメリカ出張もこれで5日目。 昨日サンフランシスコからボストンに移動した。 今日は取引先との都合が合わずぽっかりと空いてしまった。 天から降ってきた休日である。 宿泊先はボストン市内からかなり遠いホテルであるが、周りには何もなく、 ホテルで過ご…

ブラームスのピアノ

ハンブルグ最後の一日、空き時間でブラームス記念館を訪れることができた。 ガイドブックには金曜日は定休日と書いてあったので、中に入れなくてもせめて 外からだけでも見たい、という思いで訪れたところ、なんと開いていた。 閉館は午後5時で僕が入ったの…

In Hamburg(・・・like a letter)

お元気でお過ごしでしょうか? ご承知の通り、僕はドイツ・ハンブルグにいます。 気温は18℃、上着を着ていても寒さを感じるくらいの気温です。 ホテルの僕の部屋は11階で窓の外を見ると、行き止まりになった小さな運河と それにかかる橋、そしてまるで戦争映…

軽井沢・野辺山紀行(2)

旅行の二日目、カーテンを開くと快晴である。 今日は念願の野辺山宇宙電波観測所に行くのだ。 ホテルのフロントに話をして観測所まで車で送っていただく。 観測所の守衛所で入門手続きをし、お願いして荷物を預かっていただいた。 敷地に足を踏み入れると、…

軽井沢・野辺山紀行(1)

週末を利用して軽井沢と野辺山を旅してきた。 軽井沢という土地には思い入れがある。 僕が好きな作家の堀辰雄の代表作「美しい村」の舞台が軽井沢なので、以前から行っ てみたかったのだ。もちろん、小説に描かれている軽井沢は昭和初期のものであるし、 さ…

国立天文台 三鷹

かねてから行ってみたいと思っていた三鷹の国立天文台に思い立って出かけた。 もう長らく星を見ていないものの、僕のようなオールド天文ファンにとっては 『三鷹の東京天文台』には特別の思い入れがある。 天文学者で言えば、富田弘一郎氏、古在由秀氏、古畑…

バカンスを終えて

バカンスを終えて昨夜帰ってきました。 向こうは気温は27℃程度、湿度も低くとても快適でした ^^ 明日からまた日常の世界に戻りますけれど、今日は取りあえず最後の夏休み。 今回のバカンスで感じたことを簡単に。ハワイ、特にワイキキ近辺は「非日常の世界…

アメリカで思ったこと

慌ただしいアメリカ出張から帰ってきました。 現地では結局まったく時差ボケが取れず平均睡眠時間3時間以下。 最悪の体調に加えて日本からのメールもひっきりなしで、昼夜兼行の難行苦行でした がなんとか乗り切りました。アメリカの取引先では、古い友人のS…

シューベルトを弾く少女

フィンランド最終日、空港に向かう前にテンペリアウキオ教会に行った。 観光客の誰もが行く岩をくりぬいて作った有名な教会。 自然光をいっぱい取り入れた美しい簡素な教会。聖堂の中からピアノの音がする。 奏でられていたのはシューベルトの遺作のソナタ21…

涼やかな街

毎夜毎夜パーティが続いてホテルへの帰着は真夜中過ぎ。 さすがに胃腸がやられ気味です。 帰国したらすぐに健康診断なのに大丈夫だろうか。 フィンランド料理はとても美味しいです。 柔らかく非常に繊維の細かいトナカイの肉、キャビア、そしてサーモンに 新…

白夜の国から

フィンランド・ヘルシンキに来ています。 こちらは気温20℃少々で天気も良くとても過ごしやすくて快適です。 ドイツでも日が長かったけれど、こちらはさらに長いです。 夜10時過ぎでもまだ外は明るいのです。ヘルシンキについては、僕には何故か「黄色い…

ライン川のほとりにて

ドイツ・デュッセルドルフに無事到着しました。 当地の気候は完全に狂っていて、到着した日は気温27℃で暑いな、と思って いたのですが翌日はカンカン照りになり、最高気温は35℃まで上がりました。 そして今日は激しい雨も降り、気温20℃。 すごい寒暖の…

ドイツとフィンランドへ行ってきます

今度の木曜日からまた海外出張です。 こんどはドイツとフィンランドへ行きます。 ドイツはデュッセルドルフで3泊、それからフィンランドのヘルシンキに移って 4泊、再来週の金曜朝の帰着です。デュッセルドルフはある時期、本当に頻繁に出張した街です。 …

上海出張〜3.底が上がる

今日で上海での仕事の日程を終わった。 明日の朝、帰国する。 いやはや長かった。 先月のドイツ出張よりもはるかに。毎日中華料理を食べていると(さほど油っこくないように感じられても)だんだん おなかの『底が上がって』くる。 少しずつ少しずつ疲れと共…

上海出張〜2.中国語

今回上海に来て痛感していることの一つに「言葉ができないことの辛さ」がある。 思えば最近はずっと、言葉が通じる国ばかりに出張していた。 アメリカ、イギリスはもとよりドイツにしたって、今の若い世代のほとんどは英語を 喋る。しかし、中国ではそうはい…