風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

2014-01-01から1年間の記事一覧

潜在意識の力を借りて

自分を作り直そう、一からやり直そうと決意してから、メンタル・トレーニングの 本を読んでいる。今までも興味がなかったわけではないけれど、実際に本を手に 取ることはなかった。しかし、本質的な出直しには自分を深いレベルから変える しかないと思い、メ…

ウィーン高射砲塔(ウィーンにて④)

ウィーンのホテルから取引先のオフィスに向かう途中、奇妙な四角い建物 が見えた。あれは何ですか?と尋ねたところ、彼らは「第二次世界大戦中に 作られたBunker(掩体壕)だ」と言うのだが、見た瞬間、僕はこれがあの 「ウィーン高射砲塔」だ、と直感した。…

19・20世紀美術館(ウィーンにて③)

もう少しウィーンの事々を続けたいと思う。 ウィーン美術というと世紀末の画家、グスタフ・クリムトが挙げられる。 特に有名な絵は「接吻」。この作品を含むクリムトの作品の多くがベルヴェ デーレ宮殿の19・20世紀美術館に展示されているということで見…

ウィーン歴史美術館(ウィーンにて②)

これまでに僕が見たフェルメールの作品は全部で15点。 今回のウィーンの歴史美術館訪問でもっとも楽しみにしていたのは、もちろん フェルメールの「絵画芸術」を見ることだった。これは以前の展覧会で日本に 来る予定だったのがこなくなったいわくつきの絵で…

色褪せてゆく事々(ウィーンにて①)

海外出張中でウィーンで週末を過ごしている。 僕がウィーンに初めて訪れたのは確か1998年。取引先の人たちと同行で 一泊二日程度の駆け足で過ごしたのだが、その時「ああ、この街は素敵だ。 いつかきっとまた訪れよう」と痛切に思ったことを覚えている。 街…

生活をシンプルに(複雑さを受け止めることを部分的に断念することについて)

愛読しているブログが2つあって、ひとつはベンチャー企業の研究者のブログ。 ひたすら食べたものと変化の少ない日々(天候、飼い猫、および読んだ本)に ついて、短く書いているものだが、この人がいかにシンプルですっきりした生活 を求めてそれを実行して…

ヨーロッパ出張の楽しみ

9月早々、ヨーロッパ出張がある。 期間は2週間以上で、ドイツ、オーストリア、デンマーク、イギリス、 アイルランドを巡る長い旅だ。僕のこれまでの出張は余裕がない仕事 中心のものが多かったけれど、今回は我儘を言って意識的に自分の楽しみ を盛り込ん…

落ち込んで気づいたこと。

このお盆休みは自宅に帰ってきたのだが、体調も悪く気持ちも随分 落ちて(落ち込んで)いた。これだけ落ち込んだのは久しぶりだ。 なので、この休みはテレビをぼぉっと見ることと、本をほんの少し読む 以外、何もできなかった。 こうやって自宅で文章を書い…

僕の宝物(5)

仕事で使う筆記用具、ボールペン。 海外取引先とのAgreement(契約書)などの重要書類にサインするボールペンは 最近ではParker 5th GenerationのSonnetを使っているけれど、普段、モレスキン のノートに書くボールペンは、三菱鉛筆のuni-ball PROTECHに決め…

ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展

ボストン美術館には苦い思い出がある。 過去記事「フェンウェイパークの松坂」に書いたように、3年前のボストン出張 時にボストン美術館に行きそこねている(お陰でメジャーリーグでの松坂の投球を 見ることができたのだが)。 今回、世田谷美術館にボスト…

まるで軍人のように

会社の歓送迎会。 転勤してきた人、新入社員、去っていく人たちのための会。 乾杯の音頭を取りながら、なんとも言いがたい思いが胸をよぎる。思えば長い長い間、この世界で働いてきたなぁという思い。 自分が、本当にビジネスに向いている、商売が好き、金儲…

何もかも一新する

何もかもを一新しようと試みている。 PCの壁紙、スクリーンセーバー、ミネラルウォーターの銘柄、iPhoneの壁紙 から机に飾る絵、椅子の高さからコロンをつけるかどうかなどの生活の細々と した習慣などなど。昔は、ひとは人生に仕組みとして組み込まれたイニ…

村上春樹「女のいない男たち」(6)「女のいない男たち」

第六話はこの本のタイトルに対応する「表題作」として書いた、と村上自身が 語っている「女のいない男たち」。 これは率直に言って軽い作品だ。 この短篇集がひとつの曲集だとすれば、聴かせどころがすべて終わったあとで しめくくりに置かれた小品のような…

村上春樹「女のいない男たち」(5)「木野」

第五話「木野」。 村上自身が「これは僕にとっては仕上げるのがとてもむずかしい小説だった。 何度も何度も細かく書き直した。ほかのものはだいたいすらすらと書けたの だけれど」と語っている通り、一番の力作であることは確かだ。 僕にとって一番好きな作…

村上春樹「女のいない男たち」(4)「シェエラザード」

第四話の「シェエラザード」。 この物語の空気感はとても不思議で、僕はこの物語が今回の短篇集で 一番好きだ。何らかの理由で「ハウス」に身を隠すことになった「羽原」のもとに 女が週2回のペースでやってくる。彼女はスーパーで食品を買って 持参すると…

村上春樹「女のいない男たち」(3)「独立器官」

今日は第三話の「独立器官」 52歳の独身医師の渡会は、結婚して家庭を持つことは望まず、女性たちと 軽い関係を持ち続けることをモットーとして生きていた。ミラン・クンデラの 「存在の耐えられない軽さ」の主人公トマーシュ医師と通じるもののある キャ…

村上春樹「女のいない男たち」(2)「イエスタデイ」

前回の続きで「女のいない男たち」の感想を書いてゆく。 今日は第二話「イエスタデイ」だが、この話が僕には一番軽く読めた。 関東生まれで関東育ちにも関わらず完璧な関西弁を話す「木樽」とその美しい ガールフレンドである「えりか」と「僕」の20歳の時…

村上春樹「女のいない男たち」(1)「ドライブ・マイ・カー」

村上春樹の新作は短篇集ということであまり期待せずこの本を買った。 「1Q84」の時とは違って書店では平積みにされていて、いともたやすく 手に入った。村上春樹は長編こそが素晴らしい作家、と僕は認識しているし、本人も そのように思っているようだ。…

Terrible !

アメリカ・ケンタッキー州の「Terrible !」なホテルにいる。 口コミに違わぬほんとうにTerribleなホテルだった。 いや、正確にはホテルではない。 これはアメリカ映画に出てくる、極端に程度の悪いロードサイドの 安モーテルだ。壁はベニヤで穴だらけ。 じゅ…