風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

嘘は罪?

昔からの読者の方はこの題名、ご記憶があるかもしれません。 旧日記において、この題名の記事で僕はこのように書きました。 「正直」は人間の基本だ。だから子供には「正直の大切さ」を教える。 この基本ができない人間はオトナになってはいけない。 当たり…

エロスの行方

柏倉 葵さんがブログで触れられていた河合隼雄の「中年クライシス」。 この本に「エロスの行方」という面白い一章がある。 題材として円地文子の『妖』を取り上げているのだけれど、本題に入る前に冒頭で述べ られている河合のエロス論が面白いのだ。 ギリシ…

徒然草

ブログの世界でも「つれづれ」とか「徒然なるままに」という表現や表題はよく見かける けれども、元祖『徒然草』は相当に辛口で面白い。 吉田兼好の恐るべき社会・人物観察力に舌を巻くばかりだ。 たとえば、社会に生きる愚かな人たちの描写はこう。 蟻のご…

危険な年齢

「成人の危機」というタイトルでヘルマン・シュライバーはこう書いた。 「成人の男や女たちをまるで精神不安定の若者のように振る舞わせたり、自由というもの に酔わせ『自分自身の生活』の探求に駆りたてる」と。 「中年」という言葉を嫌う人たちが多いし、…

信じるということ

最近、僕の両親が夫婦揃ってカトリック教会の洗礼を受けた。 彼らはずっと無宗教で生きてきた人たちなのに、ここにきて何かが彼らの心の中で 変わったのだろう。僕は、以前は宗教の意味がわからなかった。 神というものの存在はどう考えても立証しえないし、…

年を取ったら

「年を取ったら」 君は大きな目をくるくるさせて言う。 「二人だけだし、だいいちそんなにたくさん食べなくなるでしょう?そしたら、 デパ地下で美味しいものを少しだけ買うのよ。そして二人で分けて食べる。 いいでしょ?美味しいものを少しだけ」 「年をと…

白洲次郎

白洲次郎、という人物には以前から多少興味があった。 たしかどこかの特集本でTシャツにGパン姿の白洲次郎の写真が表紙だったのも記憶して いる。白洲正子の夫、ということでそれにも興味を惹かれたというのもある。 そんな風にやや中途半端な距離感で白洲…

スローン・デジタル・スカイ・サーベイ

久しぶりに天文雑誌を眺めていたら相当前から計画されていたスローン・デジ タル・スカイ・サーベイ(SDSS)が既に稼働しているとのこと。 とうとうそういう時代になったのか、という大きな感慨を持った。などと書かれても、天文ファンでない方にはさっ…

H.M.S. Yurisees

邦題名が「女王陛下のユリシーズ号」という小説である。しかし「H.M.S. (Her Magestic Ship)」というのはイギリス海軍の軍艦の名前には全てつく 尊称であるので、正しくは「英国軍艦ユリシーズ」というべきであろう。ともあれ、この小説、海洋冒険小説という…

次元認識

僕の奥さんと話していて、彼女が「四次元空間」というのがイメージできない、 というのを聞いてははぁ、と思った。僕の奥さんは典型的文系で語学は大好き だけれど、数学は大嫌いな人なのです。素粒子物理学に「超ひも理論(超弦理論)」というのがあるのだ…