風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

2007-01-01から1年間の記事一覧

年の瀬

あっという間に大晦日が目前である。 意を決して書斎の片付けを始めた。まず音楽テープの整理。 8月にカセットテープをMP3に変換できる装置を買って少しずつ変換していた のだけれども遅遅として進まない。何曲コピーしたか見直してみると200曲程度 …

『ショスタコーヴィチの証言』を読んで

「ショスタコーヴィチの証言」読了。 500頁の大著であるが大変面白く読めた。この本はソロモン・ヴォルコフという人 がショスタコーヴィチ存命中に聞き書きしたということになっていて、各章の終わり にはショスタコーヴィチの署名もなされている、という…

最近読んだ本

リアル世界での仕事が脳に占める割合が大きくなればなるほど、このブログを含む ネット世界から自分の距離が遠くなってきつつあるように感じる。 本は日々やたらと沢山読んではいるのだけれども、ここに書きたいこともなかなか 思いつかず、といった状況。 …

僕が評論家を嫌いなわけ

以前から評論家は嫌いだったけれども(ついで言えば評論家的な人も ^^;)、最近 ますます嫌いになってきた。 例えばサッカーで言えばセルジオ越後なんて最たるものである。 ワイドショーのコメンテーターなど論外である。評論家にしてもワイドショーのコメン…

宗教者と無神論者の間

何度か書いている通り、僕は特定の宗教を信じている者ではないのだけれども 「神様」に登場いただくことがある。 それは、決まってどうしようもなく不安なとき、自分にとって苦しい状況が降って きたときなどで、換言すれば「自分の力を尽くしても状況を変え…

ブルーマンデー解消法

僕は「忙しい」という言葉が嫌いで、それは漢字の意味としては『心を失う』と書く からでもあり、もうひとつは「忙しい」を連発していると何か自分が有益で有能で あるような錯覚に陥りがちだからだ。 よって日常生活でも極力「忙しい」という言葉を言わない…

現代思想と「今を生きる」ことについて

最近、訳あってドラッカーとかコトラーとか稲盛和夫とか仕事絡みの本をやたらと 読んでいるが、京セラの創業者である稲盛和夫の本を読んでいて興味を惹かれた。 稲盛氏は彼の経営論、経営哲学の根本に「人間として正しいこと」をベースに置いて いる、と書い…

単身赴任になったなら

仕事での状況がいろいろあって、単身赴任が現実の可能性として出てきた。 まだパーセンテージで表すことはできないけれど、少なくとも覚悟は決めて おいて「そうなったとき」に慌てないようにしないといけない。 うちの奥さんにはもう話してある(彼女自身も…

どうして言葉が人に通じないのか

一つ前の記事に書いた本「言葉はなぜ通じないのか」を読了しました。 この本の面白さは少し記事でも触れたけれども、僕にとっての「面白さ」は一旦 置いて、違う部分(この本の著者が結論として書きたかったこと)について今日は ご紹介したいと思います。【…

読みかけの本

読者の皆さんは本を読むとき一冊ずつ読まれているのでしょうか? それとも同時に何冊も読んだりされるのでしょうか?僕はいつも数冊を同時に読んでいます。 何か格別の考えがあってそうしている、というよりも、本屋に立ち寄ると大抵本 を買ってしまうので自…

虐殺・イジメ・怠け者を考える

どんなことでもそうだけれど、最新の知見が現実の社会での応用されるには時間が かかる。科学技術にしても相対性理論が完成してから原子炉が実用化されるまでは ずいぶん時間がかかっている。しかしながら、社会科学が実用的な社会理論に組み 込まれるのは少…

ベルリン・バロック・ゾリステン演奏会

仕事の合間にベルリンフィルの精鋭を集めた世界的に有名なバロックの弦楽アンサン ブルであるベルリン・バロック・ゾリステンの演奏を聴いてきた。 この日のプログラムは:・ヘンデル:オペラ「アルチーナ」より弦楽のための組曲 ・モーツァルト:チェンバロ…

戦争について語ること

最近、内田樹氏の著作をあれこれ買って読んでいる。 どれも面白い。 その中の一冊「ためらいの倫理学」の中の「古だぬきは戦争について語らない」を 読んでいろいろ考えるところがあった。 (この文章は内田氏のHPのここに全文アップされています) 内田氏…

牛乳を注ぐ女

[ 仕事の合間をぬって乃木坂の新国立美術館に行ってきました。 平日の午前中だから空いているだろうと思っていたら、大間違い。 人でいっぱいでした。 僕同様「牛乳を注ぐ女」を見たい人は沢山いるようです。新国立美術館では12月17日まで「フェルメール《牛…

背中に家紋

最近歩いているときの自分の姿勢が良くないことに気がついた。 知らず知らずのうちにうつむき加減だったり、背筋が曲がったりしている。 疲れが出ているのかもしれないけれど、いかんなぁと思っていた。 たとえどんな状況でも背筋をしゃっきり伸ばして歩きた…

マイレージ考

「金持ちの場合、何もしなくてもお金がお金を生んで勝手に増えていく」 という言葉を聞いたことがある。 過去に金持ちになったことがなく、加えてこれからも金持ちになることは期待薄 である僕には全く実感がなかったのだけれど、最近、飛行機のマイレージの…

構造的無知

今やすっかり有名人になられた内田樹先生のブログより日本の教育に関しての一文。【引用始まり】 --- 教育現場が死んでいるということは、教育理論も、教育行政も、政府主導の 教育改革も、およそこれまで教育について語られてきた言説となされた実践 のほと…

語り得ぬこと

いにしえの日本では「言霊」が信じられていた。 言葉には霊的な力が宿っており、現実を左右される力があると考えられていたのだ。 もちろん現代でも、言葉の力は信じられている。 しかしながら、それは霊的な力ではなく、ある人の思っていること、考えている…

ロコモコの話

この前の日曜日にハワイから帰ってきたところなのに、あっという間に日々の 仕事という濁流に押し流されて遠い昔のような気がする。 旅行中ネットから離れていたこともあって、帰ってきてからも少々ネット離れの 日々だった。それもあってか、今のところ記事…

バカンスを終えて

バカンスを終えて昨夜帰ってきました。 向こうは気温は27℃程度、湿度も低くとても快適でした ^^ 明日からまた日常の世界に戻りますけれど、今日は取りあえず最後の夏休み。 今回のバカンスで感じたことを簡単に。ハワイ、特にワイキキ近辺は「非日常の世界…

バカンスに行ってきます。

夏のバカンスに行ってきます。 といっても、今夜からほんの5日間の短い間ですが。 ハワイに行きます。 精神面のリフレッシュができるようにと思っています。今回はオアフ島だけで過ごします。 1日はレンタカーを借りてノースショア(北部の海岸)あたりを…

生物と無生物のあいだ

巷で評判になっていることに加えて、あづみさんの記事を読んで興味を持ち、この 本を手に取った。 この本を読んでまず感じたのは「理系的な語り口ではない」ことだ。理系の人が書く本は得てして「きちっと」している。 「きちっと」というのはどういう意味か…

崇高系クラシック曲

そもそもクラシック音楽とその他の音楽には質的な違いはあるのだろうか? それとも、音楽は音楽、他ジャンルと違いはないのだろうか? どんなジャンルであろうと音楽には違いはない、素晴らしいクラシック音楽がある ように、素晴らしいポップス音楽、素晴ら…

ポジティブだけでは駄目なのだ

この3週間ほどばたばたしていて仕事以外のことを考える余裕がなかった。 本を読む余裕もほとんどなかったけれど、気晴らしに軽いものを、と出張先の書店 で流し読み・暇つぶし用に買った本の内容が少し面白かったので紹介したい。 その本は光文社新書の「メ…

アメリカで思ったこと

慌ただしいアメリカ出張から帰ってきました。 現地では結局まったく時差ボケが取れず平均睡眠時間3時間以下。 最悪の体調に加えて日本からのメールもひっきりなしで、昼夜兼行の難行苦行でした がなんとか乗り切りました。アメリカの取引先では、古い友人のS…

15億キロ彼方の湖

仕事に追われる日々。 日々のことで頭がいっぱいな気分を変えたくて、雑誌Newton別冊の「惑星の科学― さらに知りたい太陽系 最新成果が次々に」を買った。ここには太陽系の惑星の最新 の写真が掲載されている。 火星のひび割れた地表、最近水が流れたのでは…

アジアカップ 日本vsオーストラリア

昨夜はアジアカップの準々決勝、日本とオーストラリアの対戦をテレビ観戦していた。 去年の6月のワールドカップ初戦でオーストラリアに食らった惨敗に耐えかねて、 「僕がおかしいんでしょうか?」という記事を書いたのだけれど、今回はそれから 約1年後の…

宇宙の悪意

フィネィグルの法則(Finagle's Law)をご存じでしょうか? 日本語での解説が見つからないので英語版Wikipediaから引用してみます。【引用始まり】 --- Finagle's Law of Dynamic Negatives (also known as Finagle's corollary to Murphy's Law) is usually …

シリウスの道

過去にあづみさんや卯月さんや九子さんが取り上げている藤原伊織氏の小説 に興味を持ち「テロリストのパラソル」「ダナエ」「シリウスの道」と読んでみた。 正当派ハードボイルド小説群、というのだろうか。僕の第一の感想は「違和感がない」というものだっ…

「しょうがない」と言うものか

田口ランディさんの記事「しょうがない」について今日辞任した防衛大臣の「原爆はしょうがない」という発言に関してだけれど 「しょうがない」という言葉についてのランディさんの考察に感じるところがあった。【引用始まり】 --- 生きているということは、…