風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

マイレージ考

「金持ちの場合、何もしなくてもお金がお金を生んで勝手に増えていく」
という言葉を聞いたことがある。
過去に金持ちになったことがなく、加えてこれからも金持ちになることは期待薄
である僕には全く実感がなかったのだけれど、最近、飛行機のマイレージの貯まり
方を見ているうち「ああ、こういうことか」と妙に納得できた。

僕は仕事で飛行機に乗ることがとても多い。
ずっとそうだったわけではなく、以前はせいぜい年に数回程度しか乗らなかった
のだけれど、ある時を境にしてそれが増え始めた。
それまでは国内線では一往復してせいぜい500〜700マイル程度だから、
マイレージは少しずつ積み上がってゆくというレベル。
なので正直たいしてマイレージを意識もしなかった、というのがそのころの実感だ。

それが、搭乗回数が一年に30回を越えるころから少し事情が変わりはじめた。
全日空の場合は30回を越えると「ブロンズ会員」という扱いになりマイレージ
は通常の1.5倍付くようになる。つまり一往復500マイルの搭乗だと750
マイルとしてカウントされるようになるわけだ。これによってマイルの貯まり方
はかなり大きくなった。それがさらに大きく増えるようになったのは搭乗が年
50回を越えるようになってから。一年に50回以上搭乗すると「プラチナ会員」
という扱いになりマイレージは普通の搭乗の2倍付くようになる。
つまり往復500マイルの搭乗だと一気に一往復1000マイルがカウントされる
ことになるわけだ。
こうなるともう、マイレージはばんばん貯まるようになる。
プラチナ会員ということは一年に50回以上乗っているわけだから、自動的に年間
数万マイルが増えてゆく。かくして(自慢げに聞こえたら・嫌味っぽく聞こえたら
お許し下さい)僕の場合マイレージは「あれ、また1万マイル増えてるぞ」という
感じなのだ。これは、大金持ちが預金通帳を見ながら「あれ、知らないうちに1億円
増えてるみたいだなぁ」と呟くのと(多分)同じではないだろうか。

ああいいな、と思う方もいらっしゃるかもしれない。
しかし想像されるほど嬉しいわけではない。

なぜなら、それだけ貯まるということは、当たり前だが、それだけ乗っている、
ということだからである。遊びで乗っているならともかく(それはお金持ちだ)
仕事で乗っているわけだから、すなわちそれだけ「出張」に行っているわけだ。
つまり、乗っている当人は端的に言うと『もう、へとへと』なのである。
そしてさらにいうなら、休みの日は、もう飛行機になんか乗りたくないのである。

じゃあどうやって使うか、というと、結局電子マネーEdyに変えている。
そのEdyをどう使っているか、というとコンビニでおにぎりやらお茶やらを買う
時に使っているのだ。
なんだか、とほほな使い方なのである。
結局のところ、僕は、マイルが貯まってもたいして嬉しくないのである。

お金持ちにとってのお金も同じなのだろうか?
それとも使い道がなくても、お金が貯まると嬉しいのだろうか?
意味なく通帳残高を見てにまにましたりするのだろうか?
まあ、どうでもいいんだけれど(笑)