風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

2004-01-01から1年間の記事一覧

恋愛から引退しない人生

こういうことを書くと僕のイメージアップになるのかイメージダウン になるのかわからないけれど、僕は黒木瞳が好きだ。 で、その黒木瞳が「Grazia」という女性雑誌で表題について、 ロングインタビューを受けていると知り、奥さんに頼んでこの雑誌を …

選択の自由と強者の論理

小林和之という人の書いた「『おろかもの』の正義論」という本を読 んでいたら面白いフレーズに行き当たり、ううむと考えてしまった。この本、面白い考えが種々書かれていて刺激的だ。 例えば死刑廃止論に関して「犯人が生きていることが許せない、と思う 被…

誰もが幸せを探している?

ラジオから流れてくる歌に、こんな歌詞があった。 「誰もが幸せを探しているのに」 そうなんだろうか? みんな幸せになりたくて、幸せになるために生きているの?ある本に書いてあったけど、どんな人でも、生活の中で「快」を感じる より「不快」を感じる機…

M41

冬の夜、南天を見上げるとオリオン座と大犬座が見える。 ひときわ明るい星がシリウス(天狼星)。 全天でいちばん明るい恒星だ。僕が星に興味を持ったのは高校一年生のとき。 当時、僕の部屋は南に面していた。 勉強机の横の窓から、ベランダ越しにシリウス…

それでも人生にイエスと言う

僕には、不治の病に冒されている友人がいる。 積極的治療を諦めるかどうか決断するように、医師から示唆されそうに なっている状況の友人が。彼は、 「自分はもうすぐ死んでゆくのだ。」 「自分が生きている意味が、生まれてきた意味がわからない」 と周りの…

英語と思考(2)

よく言われることだけれど、英語では論理的で内容のはっきりした文章 を組み立てることが日本語よりも易しい。というか、否応なくそういう 文章になってしまう、という感じがある。 これは明らかに言語の構造に由来している。日本語の場合は主語があったりな…

心の姿勢

クリスマスのイルミネーションがいよいよ華やかになってきた。 去年の今頃、僕の気持ちは穏やかとは言い難く、イルミネーション を見ても浮き立った気持ちにはならなかったものだった。 しかし、今年は違う。 ああ、綺麗だな、と素直に思える。 それが、何よ…

ニューヨーク、ニューヨーク。

僕の生まれて初めての海外出張はアメリカだった。 26歳の時、たったひとりで3週間。 ニューヨークに入り、ロサンゼルスから帰国した。当時、僕はアメリカに大きな憧れを抱いていた。 自由とパワーの国。 サクセスストーリーの国。 アメリカンドリームの国。…

猫を投げた話

子供のころの話だ。 当時の僕の家のすぐ下の一家が猫を飼っていた。 猫の名前は「フクちゃん」と言った。 まだ若い雌の猫だった。フクちゃんは最初は胡散臭げに、僕たち一家を遠巻きに眺めていたが、 そのうち、だんだんなついてきた。 僕もエサこそあげなか…

ローマ人の物語

塩野七生という人については、何冊か本を読んで、関心と反感とが 混ざったような感情を持っていた時期があったのだけれど、周りの 人がとてもいい、面白いというので、いよいよ「ローマ人の物語」 を読み始めた。この人の本は、どれも語り口がうまく、文章が…

戦場のピアニスト

「戦場のピアニスト」を昨夜TVでやっていたので見た。 いい前評判ばかり聞いていたので、大変に期待して見たのだが、 うーん、そんなに素晴らしい映画なんでしょうか。ピアニストであるシュピルマンが主人公ではあるけれども、この映画 の主題はポーランド…

「いい男」試論

「いい男」の条件って何だろう? 僕の偏見に満ちた判断基準に「いい男」はある程度知的だ、という のがある。なに?んなことはなかろう!?。 例えばヘミングウェイの「老人と海」の漁師のじいさんが知的だって 言うのかい?。読み書きだってできないかもし…

単純に生きる

僕は単純な男だ。 中途半端が嫌いで、すぐに決断を下してしまう。 しかし、それは人生を単純なもの、と理解しているからではない。 人生は複雑で錯綜し矛盾していて、本当にゴッタ煮みたいなものだ と思う。そのまま、まるごとで受けとめるしか方法はないん…

ワルキューレ

その年の大晦日、紅白や裏番組を見る気になれなくて、僕は本を読ん でいた。寂しいな、BGMでも、と思ってFMをつけたら、たまたま、 その曲が流れてきた。今まで聴いたことのない音楽。 ドイツオペラだ、ということだけは、すぐにわかった。 聴いている…

財布は寒くなったけど

今日はちょっと、フツウの日記風です。 ------------------------ 日曜日、君と二人で買い物にでかけました。 お互いのクリスマスプレゼントを買うのです。僕はダークグレーのタートルに黒いジャケット、ブラックジーンズ。 君はグレーのスーツにマフラー。 …

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日曜日、君と二人で買い物にでかけました。 お互いのクリスマスプレゼントを買うのです。僕はダークグレーのタートルに黒いジャケット、ブラックジーンズ。 君はグレーのスーツにマフラー。 お互いに、決まってるね、格好いいよね、と言いあいました。君は、…

Mood Indigo

1年前、一人の記者がWeb日記を閉じた。 僕はとても残念でたまらなかった。 その記者の名前はGIGOLO氏。 彼の日記を愛読していたのだ。インターネットのWeb日記。 僕は当時、そういうものの存在すらろくに知らなかった。 それで、好奇心からいくつかの日記を…

キッチン

先日、出張先の本屋で吉本隆明の本を買おうかな、と思って入ったら 一冊もなく、並んでいるのは娘の吉本ばななの本ばかり。きょうび、 吉本隆明なんて流行らんのだろうな ^^;。ところで、吉本ばなな、 って人気があるらしいが読んだことがない。いったい、ど…

現実主義

現実主義、ということについて考えている。 ベタベタの現実主義と、そうでない現実主義とについて。 僕も「現実主義者」だから、その違いについて考えている。世の中で起こっている事象を見て、あくまで事実を基に考える、と いう意味で、僕はやはり現実主義…

柳の花

場所は中国東北部のハルピンという街。 一体何だろう、とあっけにとられた。この時の出張はハードだった。 まず上海へ、さらに北京、大連と移動して最後がこのハルピンだった。 大連からハルピンまでの飛行機は旧ソ連製でおそろしく乗り心地が悪か った。そ…

イングリッシュ・ペイシェント

この映画はケーブルテレビで偶然見て、とても感動した。第二次大戦中のイタリアが舞台。 飛行機を撃ち落とされ、大やけどを負った、イギリス人の患者アル マシー。彼を看病するハナ。アルマシーを追ってきた、元泥棒の ガラバッジョ。ハナに惹かれて恋人にな…

自立と孤立

欧米人の夫婦は、歳をとっても歯の浮くようなセリフを言い合い、 思い切り甘え合っているカップルが多い。 いい歳をして、と、僕などはいささか呆れてしまうのだが。 しかし、これは彼らにとって必要不可欠な事なのだ。 もちろん、ずっと恋をしているわけじ…

スグラベンザンデ

スグラベンザンデは北海に面した、オランダの小さな町。 僕はホテルのバルコニーに出て、夕日が沈むのを眺めていた。 季節は晩夏だったと思う。緯度の高いオランダでは、夕日は、日本よりずっと浅い角度で 斜めにゆっくりゆっくり、霞がかかったような空を下…

たった一人のための音楽

ショパンが友人にあてた手紙の中に、こういう言葉がある。 「演奏会の前、数日間がどれほど苦しいものか、あなたには想像もつか ないでしょう。そんな時、僕はいつもバッハの平均律クラヴィア曲集 を弾きます」演奏者している人、ひとりだけいれば成立する音…

仮面が本体を支配する?

昨日、美容室(いや、僕はオトコだから敢て「散髪屋」と呼ぼうと 思う)に行って、髪を切ってきた。 いつも思うのだけど、どうして散髪屋は自然な感じにしてくれないの だろう?どうしても「過度にきちんと」出来上がってしまうのだ。しかしその責任のほとん…

ピアノ・レッスン

ピアノ・レッスンでホリー・ハンターが好きになった。 もちろん、映画の「ピアノ・レッスン」のことだ。 あの映画のホリー・ハンターはほんとうに素敵だった。 いっぺんにファンになってしまって、彼女の出演映画を調べてビデオ で見たりした(残念ながら他…

英語と思考(1)

僕の仕事は海外絡みなので、英語は商売道具とも言える。 それで、よく「英語を喋る時、日本語で考えた文章を頭の中で英作文 して喋ってるんですか?」と聞かれる。 この答えは「No」です。 これ、僕だけじゃなくて、ある程度外国語を喋る人ならみな同じだと …

知性と勇気

長く非本質的な会議が終わり、部屋を出たところで先輩が僕を呼び止めた。 「おい。本でいい言葉を読んだから、教えてやるよ」 「何です?」 『知性とは、見たくない現実を直視して、それに対する方策を立て実行 できる能力のこと』 先輩はこう言ってニヤリと…

飛行機に乗るときは

僕の仕事は出張が多くて、日本のあちこちにも行くし、海外にも行く。 海外出張はせいぜい年に1〜2回だけれど、アフリカと南極以外の大陸 には全部行ったし、西ヨーロッパについては、ほとんどの国に足を踏み入 れている。仕事はともかく、会社のお金でこれ…

ドラマチック

天の川は、沢山の星が集まって川のように見えているものだが、星は同一 平面上にあるわけではなくて、奥行き方向にも位置している。つまり一見 隣り合った星に見えていても、立体的に考えると、ものすごく離れている ものなのだ。世の中で起こっている事象も…