風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

ドラマチック

天の川は、沢山の星が集まって川のように見えているものだが、星は同一
平面上にあるわけではなくて、奥行き方向にも位置している。つまり一見
隣り合った星に見えていても、立体的に考えると、ものすごく離れている
ものなのだ。

世の中で起こっている事象もこれと同じで、報道されたり耳に入ってくる
ことは全て「一平面上」にあるように思える。だからこそ、ひっきりなし
に、そこらじゅうで大変な事件が起こっているように感じてしまうのだろう。
でも実は、報道が取り上げるような出来事は「滅多に起こらないこと」
それでも1億人以上の人間がいるこの国では、日々、取り上げるべき事象
には事欠かないのだ。
僕はこのことを忘れないようにしよう、といつも思う。

ところで、時間軸で考えても同じ事が言える。
誰も、実際、さほどドラマチックな人生を送っているわけではない。
ごく普通の市井の人間の一生なんてたかが知れているのだ。
取り上げるべき事もない平々凡々な日々。
ちょっと退屈だけれど、後から振り返ると、あれが「幸せ」と呼ぶべき
ものだったのだ、とふと気づくような、そんな日々が大半であるのだろう。
そして、そんな「幸せ」に安住して満足するのが、本当の「人生の達人」
と言えるのかもしれない。

それでも、自分はまだ安住なんかしたくない、あくまで能動的に動き続
けて、たとえひどい目に会う可能性があっても、何かを追い求めて生き
たい、と抗ってしまう僕もここにいる。
自分の限られた人生の中で、何らかの「自分のドラマ」を追い求める
気持ちをまだまだ捨てられないのだ。それを「どの分野」で追い求める
か、ということについては、慎重である必要はあるのだけれど。。

これは、きっと、性格なのだろう。
何かにいつも向かっていく僕の性格は、きっと一生治らないだろうと思う。