風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

何もかも一新する

何もかもを一新しようと試みている。 PCの壁紙、スクリーンセーバー、ミネラルウォーターの銘柄、iPhoneの壁紙 から机に飾る絵、椅子の高さからコロンをつけるかどうかなどの生活の細々と した習慣などなど。昔は、ひとは人生に仕組みとして組み込まれたイニ…

村上春樹「女のいない男たち」(6)「女のいない男たち」

第六話はこの本のタイトルに対応する「表題作」として書いた、と村上自身が 語っている「女のいない男たち」。 これは率直に言って軽い作品だ。 この短篇集がひとつの曲集だとすれば、聴かせどころがすべて終わったあとで しめくくりに置かれた小品のような…

村上春樹「女のいない男たち」(5)「木野」

第五話「木野」。 村上自身が「これは僕にとっては仕上げるのがとてもむずかしい小説だった。 何度も何度も細かく書き直した。ほかのものはだいたいすらすらと書けたの だけれど」と語っている通り、一番の力作であることは確かだ。 僕にとって一番好きな作…

村上春樹「女のいない男たち」(4)「シェエラザード」

第四話の「シェエラザード」。 この物語の空気感はとても不思議で、僕はこの物語が今回の短篇集で 一番好きだ。何らかの理由で「ハウス」に身を隠すことになった「羽原」のもとに 女が週2回のペースでやってくる。彼女はスーパーで食品を買って 持参すると…

村上春樹「女のいない男たち」(3)「独立器官」

今日は第三話の「独立器官」 52歳の独身医師の渡会は、結婚して家庭を持つことは望まず、女性たちと 軽い関係を持ち続けることをモットーとして生きていた。ミラン・クンデラの 「存在の耐えられない軽さ」の主人公トマーシュ医師と通じるもののある キャ…