風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

恋愛から引退しない人生

こういうことを書くと僕のイメージアップになるのかイメージダウン
になるのかわからないけれど、僕は黒木瞳が好きだ。
で、その黒木瞳が「Grazia」という女性雑誌で表題について、
ロングインタビューを受けていると知り、奥さんに頼んでこの雑誌を
買ってきてもらうことにした。

自慢じゃないけれど、僕は黒木瞳の詩集2冊にエッセイ1冊を持って
いる。彼女の「夫の浮わ気」という前のエッセイ集は表題とかけ離れた
ご主人へのノロケ満載のエッセイ集だったのだけど、最近は「もう夫
には恋はできない」というエッセイ集を出しているようだ。
あれから彼女の恋愛観はどう変わったのだろうか。
いささかの興味を抑えきれなくなってのことである。

僕の奥さんは、ひどく呆れながらも買ってきてくれました。
実のところ、まだ雑誌のお金を払っていないのです。
たいへん申し訳ない次第です。

インタビューを読んでみると、うーん、どうも煮え切らないコメントの
連続なのである。要約すると「私は夫を愛していて満足しているから
いいけれど、もし愛のない結婚をしていたらきっと私だって恋に走るし、
いつまでも恋ができる女性でありたいという女性一般の気持ちもわかる」
ってところでしょうか?
引用しますが、このへんがインタビューの核心かと。

残間「でも、結婚すると、恋愛のときめきって急速に色あせるじゃない?」
黒木「そうでしょうね。ただ、私個人としてはやっぱり男と女でいたいと
   思います。だって、もともとは他人だから。それから、愛がなく
   なったら、一緒にいられるかなあと思います」
残間「いるべきじゃないというふうに思う?」
黒木「うーん。愛がなくなったとき、何をしでかすかわからない自分は
   感じるけれど、それでも、ずっといるべきかもしれない、と考える
   自分もいると思う。」
残間「なるほどね」
黒木「そのときは、きっと恋に走ると思う。生活じゃない恋」

読んでいるうちに、「もう夫には〜」もこのインタビューも「東京タワ
ー」という、何の不満もない人妻が20歳年下の大学生と恋に落ちる筋の
映画の一種の「キャンペーン」として行われていることに気づく。
つまり、黒木瞳はこの映画の主演女優として、私は主人公の気持ちがよく
わかる、断固主人公の行動を支持します、と言い切りたいところである
ものの、そう言い切ってしまうと、こんどは自分が浮気肯定論者のよう
に取られそうなので、こういう曖昧なコメントに終始しているのだろう。
いやはや、なんともお気の毒様です(笑)

それでも多少面白いと思ったやりとりがあったので抜き書きします。
江國香織との対談での一節です。
この江國女史の恋愛に対する考え方は、僕と同じです。

江國「恋愛を勝ち負けという観点でとらえる人がいますよね。私はそう
   いう考え方は好きではないけれど、そういう人は恋の駆け引きを
   意識している。そうすると、自分が愛しすぎた場合、相手はそこ
   に安心してしまって、自分は大事にしてもらえないという考え方
   をするんでしょう。でも、恋愛は愛せば愛すほど、勝ち負けで
   いうなら勝ちじゃないですかね。
黒木「ええ。私、夫にはきちんと自分から、好きだということを言い
   ましたよ。「明日死ぬかもしれないから、今日伝えよう」と思
   って。もし伝えていなかったら結婚していなかったと思う」

あ、最後にこれだけは書いておこう。
この雑誌の黒木瞳の写真は、どれも抜群にステキです。
それだけで、買ってきてもらった価値がありました 笑。
あんまり眺めてたら怒られそうですが。