風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

アメリカで思ったこと

慌ただしいアメリカ出張から帰ってきました。
現地では結局まったく時差ボケが取れず平均睡眠時間3時間以下。
最悪の体調に加えて日本からのメールもひっきりなしで、昼夜兼行の難行苦行でした
がなんとか乗り切りました。

アメリカの取引先では、古い友人のSamに再会しました。
彼は何度も日本に来たことがあるし、そのたびに一緒に仕事をし、飲みに行ったもの
です。元気そうだったけれど、ますます太って大変なことになっていました。
日本人では考えられない太り方なので、内蔵を悪くしないか心配です。

アメリカの田舎では、食事は牛肉とポテト主体です。
もちろん中華料理や日本食レストランだってあるけれど、敢えて食べたいと思うもの
ではないですね。今回、Samが連れて行ってくれたステーキハウスのステーキはとても
美味しかった。
狂牛病のことなどすっかり頭から飛んでいました(笑)
殻付きピーナツがバケツの中に入れてあって、ビールのおつまみとして食べ放題。
殻は割って床に捨てるスタイルの気楽なステーキハウスです。
床はピーナツの殻だらけ。

Samの会社の工場は夕方4時半には終業になります。
仕事の途中でも作業者の人たちはさっさと仕事を止めて家路につくのです。
それから彼らは家族とゆっくり食事を取って団欒を楽しむのでしょう。
人生を楽しみながら、ゆっくり生きている、という感じがする。
Samにしたって、ブラジルに出張で行って死ぬほど大変だった、という話とかしていた
けれど、いつもどこかに余裕があるのです。
日本人とは、根本的にどこかが違う。
話していると、彼らのワークライフバランスに関する考え方のほうが絶対まともだ、と
痛感します。

彼らの工場は日中の仕事の様子もどこかユルくて、日本の工場に比べたらずっと手が
止まっている時間が長いし、管理もいい加減な感じがする。
一方で製品そのものには凄い独創性があって他の追随を許さないのです。
これが彼らの言う「競争」の本質かもしれない、と思いました。
同じ土俵で細部の品質改良と1円のコストダウンに血道を上げて血眼になってコマ
ネズミのように働くのではなく、よそがやっていないような独創性を製品に盛り込ん
で「違う土俵を作って競争する」やり方。
それが、アメリカのいう正しい競争なのかもしれません。

僕は今、日本の仕事で深刻なトラブルを抱えています。
でも、Samの生き方を忘れないようにしよう、と思った。
今日も明日も休日出勤だけれど、僕も心に余裕を持とうと思う。
正しいワークライフバランスを忘れないようにしよう。