風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

上海出張〜2.中国語

今回上海に来て痛感していることの一つに「言葉ができないことの辛さ」がある。
思えば最近はずっと、言葉が通じる国ばかりに出張していた。
アメリカ、イギリスはもとよりドイツにしたって、今の若い世代のほとんどは英語を
喋る。しかし、中国ではそうはいかない。
ホテルのフロントは英語を喋ってくれるけれど、他では英語、日本語ともダメだ。
タクシーの運転手に行き先を頼むのも住所を書いた紙を渡すしかないし、それに
ついて何か中国語で問い返されても、こちらは何も言えないのだ。
これはけっこう辛いし居心地が悪い。

そういえば、先日ウォールストリートジャーナルで面白い記事に遭遇した。
アメリカの投資家、企業経営者たちがこぞって自分の子供たちに中国語を勉強させて
いる、というのだ。欧米人にとっても当然ながら中国語はなかなか難しい言語のよう
で悪戦苦闘している様子がレポートされていたが、記者は「実際に彼らが中国語を
ビジネスで使えるようになることを期待する以上に、中国市場に関心を向けている
姿勢をアピールするためではないか」という分析をしていたが、ともあれ、欧米でも
中国語は21世紀の主要言語として注目されているのは確かだろう。
なにせ10億人の市場なのだから。

とはいうものの、僕は中国語を勉強したいとは思わない。
そう簡単に習得できる言語とも思えないし、僕という人間そのものの相性から言うと、
中国・アジア的混沌は苦手なのだ。だから中国はエネルギーに満ちた混沌をものとも
しない若い人たちに任せておきたい、というのが正直なところだ。
文化や雰囲気と自分との相性というのは抗いがたくあるものだと思う。
そしてそれは歳を取れば取るほど顕著になってくる。

仕事では言える我が儘にも限度があるけれども、どうしても嫌なことは嫌でしかた
がないとも思うのだ。もちろん我が儘を言う以上、どう受け取られても仕方ない。
しかし僕の人生の残り時間だって限られている(笑)。
嫌なこと、性に合わないことをする時間はだんだんに減らしていきたいのだ。
これからは本当に自分がしたいこと、自分がやり遂げたいことに集中したい。