風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

上海出張〜1.アジア的混沌

ということで上海にやってきた。
ネットへの接続は危惧していたが、恐ろしく速度が遅い、ということを別にすれば
ホテルの部屋からつなげることができたので夕食までの時間を利用してこうやって
アップできている。

当地は気温は日本より低く今日は13℃。
曇っていることもあり肌寒く感じる。
15年前は車よりも自転車がやたら目についたものだったが、今は車の量が
すごい。そして恐らくはそれに起因するのだろうものすごいスモッグと砂埃。
まるで春霞のようにスモッグ+砂埃が都市全体を覆っている。
今日一日外にいただけでのどがいがらっぽくなってしまった。
暮らしていると馴れるのだろうか。
僕たちにはうがいが必須だ。

それからダウンタウンの表通りのお洒落さ。
ビルのディスプレイにしても一見、東京と変わらないと錯覚してしまう。
もちろん一歩裏通りに入るとずいぶん日本と違う情景も見られるのだが。

物価は驚くほど安い。
子会社の入っているビルには協同の社員食堂があり、そこで豚の角煮メインの
定食を食べさせて貰ったのだが、そこそこ美味しく満腹になるのに値段は6元
(90円)だった。一方では、町のあちこちにやたら目につくスターバックス
では「本日のコーヒー」のMサイズが15元(250円)。
やはり相当に貧富の差は激しいのだろう。

今日は客先を訪問してプレゼンをした後、会社の上海の子会社に立ち寄ったの
だが、ちょっと面白い体験をすることができた。
高層ビルのエレベータに乗るのに順番待ちがあり、なおかつドアが開くと降りる
人と乗る人が譲り合いをせずにお互いの意志を通そうとするため、一種のカオス
が発生する。僕たちは結局目的階で降りることができず行きすぎてまた降りて
くる羽目になったのだが。また、タクシーに乗っていて交通状況を見ていても
「譲り合い」の精神というのはほぼ皆無で、自己主張のバトルと化しているよう
に感じられる。これは一種のたくましさでもあるだろうし、エネルギーでもある
のだろうが、西欧的マナーが浸透しつつある日本からするとやはり異文化的な
匂いを感じずにはいられない。
同様に、バス停などでごく普通の女性が道路にツバを吐いているのを見ると、
やはりぎょっとしてしまう。

この都市はエネルギーと活気に溢れたアジア的混沌の中にある。
そんなことを感じた出張初日だった。