風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

In Hamburg(・・・like a letter)

お元気でお過ごしでしょうか?
ご承知の通り、僕はドイツ・ハンブルグにいます。
気温は18℃、上着を着ていても寒さを感じるくらいの気温です。
ホテルの僕の部屋は11階で窓の外を見ると、行き止まりになった小さな運河と
それにかかる橋、そしてまるで戦争映画に出てきそうな古くて重厚な工場が
見えます。一昨夜は時差のせいであまりよく眠れなかったのですが、夢うつつ
の中、激しい雨音が聞こえていました。その雨は激しさこそ失ったものの、
終日降り続いていました。
今は午前7時、昨日同様、重い鉛色の空です。


ご存じでしょうか、ドイツ北部の初秋の朝7時はまだ薄ぼんやりとしていて
どんよりした鉛色の中からわずかずつ色彩が立ち上がってくる、そんな時間です。
陰鬱な風景なのだけれど、僕はドイツのこんな風景も嫌いではありません。
それぞれの国には、その国特有の色合いを持った風景が存在する。
そう思って、旅行にかかわるカテゴリを「色とりどりの風景」としたのでした。


今回、うっかりして電源コンセントのアダプターを日本に忘れてきてしまいました。
ホテルのフロントにもアダプターの手持ちがないことを知ったとき、僕は自分でも
驚くほど気落ちしていました。
日本とのコミュニケーション回路が限りなく細くなるだけでこんなにも心細いものか。
もちろん、仕事上の種々の不都合があるのですが、僕の落胆は単にそれだけが
原因ではなかった。
コミュニケーション回路が物理的に切断されることの寂しさ。
自分がいかに「繋がることが可能なこと」に依存していたのか。
そういうことを改めて思い知った。
そんな気がします。


ハンブルグで過ごすのも今日一日となりました。
明日の朝、デュッセルドルフを経由して古都アーヘンに向かいます。
それでは、お元気で。
ご機嫌よう。