風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

K20ノルトライン・ヴェストファーレン州立美術館

欧州出張の最終日、出発便までの時間を利用してデュッセルドルフのK20美術館
に行って来た。K20は正式名称をノルトライン・ヴェストファーレン州立美術館
と言うそうで、現代美術を収蔵する美術館なのだが、実はここには相当に充実
したモダンアートのコレクションがある。
特に僕が、好きなパウル・クレー、ミロ、モンドリアンカンディンスキーなど
がたくさんあるということだが、これまでデュッセルドルフには10回以上来ている
にも関わらず立ち寄る機会がなかった。今回は出発便までの時間があり、ホテル
から歩いて15分くらいということで、駐在員に連れて行ってもらった。
美術館はガラガラでほとんど人がいない。
これは、ヨーロッパの(観光コースに入っていない)多くの美術館で感じること
だけれど、おかげで快適に絵をみることができた。
幸い写真撮影が許されていたので、気に入った作品の写真を以下に掲載する。

こちらはパウル・クレーの作品群

Vermittlung


Dame und Mode


Gezeichneter


heroische Rosen


Kleinode

そしてカンディンスキー

Komposition X

こちらはミロ

Personnages rythmiques


Femmes et oiseaux dans la nuit

クレーの絵は音楽的、とよく言われる。僕もそれに同意するし、彼の絵は強く
バッハのフーガを連想させるのに対し、カンディンスキーの、絵はジャズを連想
させる躍動感に満ちている。またミロの二つの作品にしたって絵から音が流れて
きそうだ。対照的に、静謐を思わせる作品もある。
たとえば、マグリット


La rencontre


そして河原温(On Kawara)のToday Series


Josef Albers : Homage to the Square:Red Va

改めて今回美術館でこれらの作品を見て思ったのは、色が実に美しいこと。
どの絵を見ても絵の具の創りだす色の美しさだけでも見とれてしまう。
今回、写真は撮らなかったのだけれど、ここにはモンドリアンの作品が3点
あった。彼の絵はニューヨーク現代美術館で見て以来好きなのだが、線が
きちっと塗られているようで微妙にヨレたりはみ出したりもしている。
塗りつぶしもまたそうで微妙なむらがありそれが絵の味になっているのだ。
クレーの絵だって布目が塗り潰されておらず、そのまま見えるところもある。
そのあたりは実物を詳細に見ないとわからないことで、今回僕は随分楽しんだ。

帰りにショップに立ち寄ってカタログを買おうと思ったが、大きくて重く、
諦めて絵葉書をたくさん買った。
機会があったらまた来よう。