風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

美瑛の丘

新千歳空港でレンタカーを借りて3時間、旭川を経由して美瑛に向かう。
旭川からの国道237号線沿いの風景はしばらくは見慣れた日本の沿線の
風景なのに、あるところから急に風景が変わる。

ここは南ドイツだ、と思った。
ミュンヘンからオーストリアチロル地方に向かう道沿いの風景。
シュツッツガルトからさらに南に抜けてゆくあたりの風景。
あの景色にそっくりだ。

丘は穏やかにたおやかにうねり、その上にぽつり、ぽつりと木々が生えている。
恐ろしくシンプルで整理された風景。
ひとはどうして、このようなフォルムの重なりを「美しい」と感じるのだろう?
雑然とした色彩溢れる景色から受ける印象とは全く違う、整理された風景から
受ける印象。

シンプルさ、大きい中の極小が美しく映えるのはデザインなどでも経験するところ
なのだが、そういうものに通じる何かだろうか?


この逆光の丘に立つ木々にしてもそうだ。
美しさと同時に、その印象がひとにもたらすものの不思議さにうたれる。

さて、今回のひとり旅は、なかなか苦しい旅だった。
旅の間中、仕事のことが脳裏から離れず、夜もよく眠れなかった。
考えることを止めたくても止められない辛さ。
しかし、それでも考え続けなくてはならなかった。
美瑛の丘の美しさに惹かれ、感心しながらも、どうしても、どうやっても心を
そこに没頭するにはいたらなかった。
その「二重思考」の中で、僕は車を走らせ風景を眺め写真を撮った。

今回の旅を振り返るには、もうちょっと時間がかかりそうに思う。
旅の途中で思ったこと、感じたことは手帳に書きとめてあるけれど、まだ発酵
していないように思うのだ。
すこし熟成させたら、またこちらに旅行で感じたことなど書かせてもらうかも
しれません ^^