風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

メンタル・タフネス

とても面白いことを書いているのに、翻訳がどうしようもないのだ。
とにかく読むのに骨が折れる上に理解しにくい。
自分のストレスをうまく処理する一助にこの本を買ったのに、これだとストレス
が逆に溜まるばかりである(笑)

この本の著者はスポーツ心理学の権威でアスリートのメンタル強化に携わって
きた人だ。ストレスが溜まるのは人がどういう状態に置かれた時か?という
ところから分析は始まっている。そしていろいろな研究を通して、著者は身体と
同様に、心のストレス耐性は適当な負荷を与えることで少しずつ鍛えることが
できるとしているのだ。

身体を考えてみよう。
例えば筋力を増すにはどうするか?
ただただ休めていても筋力は増さず、むしろ衰えてしまう。
筋力増強には適度な負荷をかけて、それを繰り返すことが必要なのだ。
もちろん同時にある一定の期間、回復期(場合によっては超回復期)を置く必要が
ある。
心もそれと全く同じだと言うのだ。

著者は「強い心」とは「どんなことがあっても動じない心」ではない、と言う。
剛直な心は意外と折れてしまいやすい。むしろ柳の枝のように、折れることなく
ストレスを受け流し、一旦はなびいてもまた元の状態に戻るような「高い身体的、
感情的回復力を持った心」こそが真に強い心だとしている。

著者は具体的に、人間はストレス過剰(スポーツで言うオーバートレーニング)
の場合と、ストレス過小(スポーツで言うアンダートレーニング)の双方で
不調に陥ると言う。この「ストレス過小でも人は不調に陥る」というのは僕には
目から鱗の指摘だった ^^; 言われてみれば当たり前のような気もするけれど。
そして著者は「肉体面」と「感情面」にストレスを分けてこのように分類している。

・肉体面でストレス過小で感情面でストレス過多:
  管理職や事務職などに多い。この場合肉体的エクササイズが有益。
  感情面のストレス解消にアルコールや食事や薬物に頼りやすいので要注意
  だそうだ。

・肉体面でストレス過多で感情面でストレス過小:
  単純繰り返し労働の場合に多い。この場合、肉体をまず休めること。
  そして知的活動や激しい感情の起伏が伴う事をすることが回復に有益。

・肉体面でも感情面でもストレス過小:
  これは仕事からリタイアした高齢者など、精神的にも肉体的にもさほどスト
  レスがかからない状況だ。しかし、それが人間にとって快適とは限らない。
  人間はある程度のストレスのもとで生きることがノーマルなのだから。
  これについては適度な運動と感情の起伏を伴う活動が望ましい

・そして肉体面でも感情面でもストレス過大:
  これについては、体を休め、心を休めるしかない(休暇など)

また、過度のストレスのもとでは、体は感情面のストレスを除去しようとして
関係ない体の回復の為の行動を取る(ひたすら食べようとする、あるいは
眠ろうとするなど)ことがある。これには取り違えないように注意が必要、との
ことだ。一体自分が今抱えているのが肉体的ストレスか、感情的ストレスかは
よくよく注意して判断しないといけないようだ。
一般に「感情的ストレス」を「肉体的ストレス」と勘違いしやすいらしい。

さて、この本を読んで改めて思ったのは、僕の場合、週に一回通っているアスレ
チックジムの効果はやはり大きい、ということだ。精神的に相当参っている時でも
ジムで2時間ほど汗を流すとずいぶんとすっきりする。この本も運動の効用を
とても大きく取り上げているが、とても納得できた。
ノルマにするつもりはないけれど、やっぱり僕には運動がどうしても必要なよう
に思います(笑)

メンタル・タフネス