風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

かざぐるま

一青 窈の歌声にハマってしまった ^^;
ポップス歌手の曲にハマったのは久しぶりのことだと思う。
特に「かざぐるま」「影踏み」「さよならありがと」など。
僕はJ−POPには疎いので、一青 窈という歌手については何も知らないし、
評価ができるわけではないが、この人すごく歌が上手いと思うがいかがなもの
でしょう?特に裏声の使い方が非常に巧み(というか特徴的)で、それが歌声に
なんともいえない艶を与えている。

CD「&」も買ってみた。
この人の音楽って不思議ですね。
歌い方そのものは演歌歌手のようにすごく小節がきいている(そのまま演歌も
歌えるのでは?)うえに、ご本人の作詞だそうだが、すっとわかるストーリー
になっていなくて歌詞内容が「わかりにくい」。
これも一つの特徴ではないだろうか?

さて、この中で映画「蝉しぐれ」のイメージソングの「かざぐるま」について
取り上げたい。この曲は日本古来の5音階陽旋法(ヨナ抜きペンタトニック
スケール)で作られているので、どこかに演歌のテイストを感じる。

僕の乏しい知識で適当なことを書くが、演歌とは5音階陽旋法を取り込むこと
でメロディの側から懐かしさ、懐古的な味付けをしつつ、歌詞のほうでも
「未練」「別れ」「待つ」といった定式化された昔からの日本の恋愛観に基づく
「情念」をプラスした芸能だと理解している。
では「かざぐるま」はどうだろう?
メロディ的には「演歌」にきわめて近いを言わざるを得ないのではないか?
しかし、歌詞はそうではない。

この曲の歌詞は演歌のような「濃い情念」を一切歌っていない。
少年期の淡い想いのようなものを意味がはっきりしない復古調の歌詞(それも
あまり使われなくなった「ほのか」「照れ隠し」「お目にかかる」などの言葉
を使って)にちりばめているものなのだ。
濃い恋愛のドロドロとは無縁の懐かしい少年期、少女期の淡い恋、想いといった
ものにノスタルジーを感じない人はいないだろう。そこがこの歌を演歌のもつ
粘り気や情念の世界から分けるものであり、同時に非常に強いノスタルジックな
引力を生み出している原因だと思う。
この曲には人の心に懐かしさを感じさせる「仕掛け」が組み込まれているのだ。

という具合に、単に曲を聴いて「いいなぁ」では終われないのが僕なのでした ^^;
「かざぐるま」「影踏み」は以下サイトで試聴できます。
http://columbia.jp/~hitoto/disc.html#single


# 繰り返しますが、僕はポップスにはきわめて疎い人間です。
  よって、今日の記事内容には自信がまったくありません ^^;
  戯言と捉えて頂ければありがたいです。