風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

品性の本質

皆さん、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします ^^

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「上品な人、下品な人」(山崎武也著 PHP新書)という本を買って読んでみた。
真剣に読む、というよりも移動中の暇つぶしに買ったのですが。で、内容について
は正直な話、当たり前のことを書いているだけで大して感じるところもなく買って
よかった、という本でもなかったけれど、最後の「あとがき」の数行が素晴らしく
感銘を受けた。
その部分を抜き書きしたい。

【引用始まり】 ---
結局、自分のことばかり考えている人は下品な人となり、人のことも考えながら
振る舞う人が上品な人となるのである。人のことを考える出発点は、人も自分と
同じような「欲」を持っているという事実を、真っ正面から明確に認識すること
にある。
そのうえで、自分自身の「欲」を意識的に浮かび上がらせる。
そのような基盤の上に立って、人と自分の双方の欲について折り合いをつける
のである。その際に、人の欲のほうを優先させれば、それだけ品のよくなる
度合いが高くなる。
みせびらかすよりも隠そうとするほうが、また出しゃばるよりも控え目にする
ほうが上品に見える所以だ。
上品とは自分の欲を抑えることである。
そのうえで自分自身に自信を持って、毅然たる姿勢に徹していく。
人のことを考えるときも、その範囲を広げ度合いを高めていけばいくだけ、
品の良い度合いも高くなっていく。

自分の欲を抑えるための理由が見つからないという人がいるかもしれない。
冷静になって自分の周囲や社会の仕組みや動きを、注意ぶかく観察し考察
してみるとよい。不満足に思ったり反感を覚えたりすることもあるが、
自分が毎日つつがなく生きているのは、人々や社会のお陰であることに
思い至るはずだ。
そこで人々に対する感謝の念が湧いてくる。
そこにエゴを抑えなくてはならない理由がある。
【引用終わり】 ---

この文章、何も付け加えることはありません。
僕が日頃思っていること全てを的確に言い表している。
なぜ欲望をエンジンとする自由・資本主義で個が下品に流れやすいか、という
本質を明確に語っている点も素晴らしいと思う。

今年も、自分の品性を下げないような生き方を選択したい。
それは間違いなく「美しい生き方」であるはずだから ^^