風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

投資について思うこと

父の入院・危篤状態をきっかけに、母から家の財産を今後は僕に任せたい
と頼まれ、全く知らなかった父母の財産の内容を見せられて仰天したのが
去年秋。自分の親が財産をこんな「リスク資産」にしているとは夢にも
思っていなかったので本当に驚いた(銀行に勧められるままだったのだろう
と思う)。普通の円預金以外に、3つの外貨、4つの投資信託に(良く言え
ば)分散投資された資産の運用をいきなりやらざるを得ない羽目に陥った。

だいたい僕はお金に興味がない上に「投資」を嫌悪している人間だ。
それが、自分がいちばん苦手で逃げまわり、避けてきた「税金対策」に加
えて「投資」までやらなければならなくなってしまったのだ。
神様はよく見ている。
自分が嫌いで苦手で触れたくなくて、ひたすら避けている事柄があると、
「逃げてはダメだ。きちんと勉強しなさい」と追いかけてきて上から宿題
を落とすのだ。

仕方がないので、しぶしぶ、イヤイヤ、勉強した。
結局、4つとも投資信託は解約した(損が出たものもあったが、トータル
ではかなり儲かった)が、まだ外貨預金がある。
これをどのタイミングでどうするか、考え中である。
良かったことと言えば、これまで興味がなかった金融・マーケット情報
にもれなく目を通すようになったことだろうか。日経新聞のマーケット欄
を隅から隅まで目を通すようになったし、FRBや日銀の声明に極端に
敏感になった。
金融全般に対する理解がずいぶん深まったとは言える。

数ヶ月、資産運用をやってみて、よくわかったことがある。
それは「新聞もネットも本も、銀行や証券会社のアナリストの言うこと
も、全くあてにならない」ということだ。超長期で負けないように運用
するのであれば、やりようはなくはないが、数年単位の運用ではギャン
ブルと同じで、専門家の予測など競馬評論家となんら変わらない。
もっとも、経済のファンダメンタルズだけで予測が可能なら、そもそも
投資なんて成立しない。
負けるヤツがいるから勝つヤツがいるのだ。
ギャンブルが大嫌いで宝くじさえ買ったことがない僕には、実に鬱陶しい
ゲームである。

そして、僕が今、何より嫌なこと。
それは『金融マーケット情報が「過剰に」気になる』ことだ。
仕事柄、外国為替市場はずっとウォッチしているけれど、為替が1円動く
ことで仕事で発生する何千万円の損得より、親の外貨資産の何十万円の
上がり下がりのほうが正直気になる。仕事で日経新聞のサイト、外国為替
市場の情報をチェックしていると、仕事と関係ない『プライベートな雑念』
が浮かんでくる。
これは、非常に不愉快な公私混同、かつ、邪なシチュエーションである。
なんとか早い機会を捉えて非リスク資産化して、親の資産運用から手を
引き、仕事に集中したい。
これが僕が強く願っていることである。