風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

火星のプリンセス

先日の欧州出張の帰りの機内で映画を物色していたら「ジョン・カーター」が目に
とまった。ディズニーが110周年記念に予算を投入して作った映画ということだが、
原作はスペース・オペラの古典「火星のプリンセス」とのこと。
エドガー・ライス・バロウズの「火星のプリンセス」は中学生の時、夢中になって
読んだ。絶世の美女デジャー・ソリス、親友の緑色人タルス・タルカス、そして奇妙な
生物や奇天烈な習慣など、ハマって何巻も読んだ記憶がある。


さて、懐かしさに釣られて映画を最後まで見たが、正直、微妙な感じだった。
登場人物はほとんど原作通りだったけれど、ストーリーは微妙に違っている。
CGは良くできているけれど、タルス・タルカスはどうも今ひとつ化け物っぽさが足りない。デジャー・ソリスは絶世の美女、というには?であるし、ジョン・カーターも原作の
イメージとは違う。そうはいうものの、昔を思い出して結構僕はこの映画を楽しんだ。


さて、帰宅して原作を読みたくなった。
うまいぐあいに、次男がいつぞや買ってそのまま置いてある合本版がある。
実のところ、ここしばらくはこの「火星のプリンセス」を毎日少しずつ読むのが楽しみ
になっている。内容は率直に言って馬鹿っぽいし、あまりにもご都合主義だし、荒唐無稽
極まりないのだけれど、この本を読んでいるとバロウズの火星世界に入り込めるのだ。
赤色人、緑色人、黒色人、白色人に大白猿、植物人間が入り乱れて闘いを繰り広げる
火星の世界に、さあ今夜も飛び立とう。

火星のプリンセス―合本版・火星シリーズ〈第1集〉 (創元SF文庫)

火星のプリンセス―合本版・火星シリーズ〈第1集〉 (創元SF文庫)