風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

ショパンが面白くて

ここ数年、楽しみのピアノはもっぱらバッハ、ブラームスショパンを弾くことは
ほとんどなかった。それが最近、ショパンにハマりつつある。
もうショパンの曲を弾くなんてことはないだろう、と思っていたのに。
もっとも、今の僕のピアノはきちっと練習して仕上げるピアノではなくて、週末に
一度、楽譜をあれこれ出してきて弾いてみる、という遊び弾きなので、ハマって
いてもレパートリーになるわけではない。
ただ気楽に弾いて楽しんでいるだけである。


今日は、ポロネーズ集やらバラード集やらを遊び弾き。
以前はポロネーズは好きではなくて、特に英雄ポロネーズなんかは派手なだけの
曲、と思っていたのだが、今日あれこれ遊び弾いてみて和声の移り変わりの精妙さ
や、リズム(そうなのだ。この曲はポーランドの民族舞曲のポロネーズなのである)
にうっとりとしてしまった。
しかし、特に参ってしまったのは「幻想」と名付けられた作品番号61のポロネーズ
この作品の和声の移りゆきと多声の絡み合いの美しさは本当に素晴らしい。
そんなことはCDなりを聴けば判ることであろうに、楽譜を見て弾いてみてやっと
気づく、というのが僕のうかつな所である。


ポロネーズに限らずショパンの後期の曲あれこれ(たとえば「舟歌」とか「バラード
第4番」とか、ソナタ3番とか)を遊び弾きしていると、本当に夢中になってしまう。
それは間違いなく和声の移ろいと多声の絡み合いのたぐいまれな美しさ故である。
晩年のショパンはバッハや後期ベートーヴェンに通じるものがある、と言うと言い過ぎ
だろうか。


もちろん、どの曲も非常に難易度が高いので、僕の腕前では初見ではごくゆっくり
しか弾けないわけだけど、それでも快楽に身が震える。
こんなに弾いてみたい曲が沢山あるのに、時間とエネルギーがついてゆかない。
哀しいことである。