なぜあなたは幸福なのか？
先日、神経経済学についてネットであれこれ調べていたら、偶然面白い資料に
出くわした。大阪大学 社会経済研究所教授の筒井義郎という人の講演での資料で
「なぜあなたは幸福なのか？」
と題された、パワーポイントをＰＤＦ化した資料だ。
この資料では、人生のファクターのどれが人に幸福感を与えるのか？という点に
ついて、アンケート調査から導き出されたとても興味深い結果が記されている。
ごく短いので読者の皆さんも読んでみられたいかかでしょうか？
僕が特に面白いと思ったのは以下の点だった。
・他人の生活水準を意識する人ほど幸福度が低い。
・利他的な人ほど幸福度が高い。
・「人生の目的はお金」と思わない人ほど幸福度が高い
・ある一定収入（世帯収入で５００万円以上）になるとお金と幸福度は
あまり関係ない（消費・資産についても同様）。
なるほどなぁ、と思う。
今の日本社会には二極化する方向があって、一つは自由競争社会に乗っかって
人よりも少しでも稼いで少しでも上に立とう、という企業や政府が望んでいる
生き方だが、それはどうやら精神的な幸福度に直結はせず、むしろ内的幸福度
では厳しい方向にあるように思える。
反対に俗に言う『いい人』、つまり他人と自分の生活をあまり比較せず、お金に
淡泊で、自分のことより人を思いやるような人は（その生活が外からどう見えよう
と）内的には幸福感を得ることができやすい、ということが示唆されているようだ。
もっとも、こういうことは各個人の性格に関わる問題で、利己的な人を利他的に
するのは難しいし、他人の生活水準が気になる人に「気にするな」と言って変わ
れるものだとも思えない。ただ、収入が幸福感を左右するとか、資産が少ないと
幸福になれない、といったベーシックな勘違いはしなくて済む、ということだ。
こういう研究はもっと世間で知られたほうがいいのでは？と僕などは思う。
これからの日本社会をどう設計し、どう方向付けするか、ということに極めて密接
に関わる内容と思うからだ。
この先生のＨＰには他にももっと詳細な研究報告などもあります。
ご興味おありの方はどうぞ。
