風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

勉強の方法論

今年になって思うところあってドイツ語を勉強している。
大学時代に少しやったはずなのだけれど、残念ながらすっかり忘れていて、
実質的には初学者と変わりない。
ということで苦戦している。

今、とにかく一冊の本(問題集)を最初からどんどんやっていくようにしている。
途中で立ち止まって出来なかったところを復習したりせず、とにかく毎日、前へ
前へ進める。前にやったところの応用が出てきても定着していないものだから、
全然出来なかったりするのだけれども、それでも後ろを振り返らずやり続ける。
まだ参考書の1/3程度しか進んでいないけれども、このやり方で最後までやり
通すつもりだ。
目標は3月4日のドイツ出張出発までに一冊全部終わらせることだ。

何を狙っているかというと
・とにかく一冊通すことで、細かいことはともかくドイツ語の文法を鳥瞰できる
 ようにする。
・一冊やり通して達成感と「自分はドイツ語が出来る」という自信を得る。

このあいだ、うちの奧さんと語学の勉強についていろいろ話し合った。
彼女は語学を教えるのを生業としているのだが、このやり方が一番いい、と言う。
とにかく、できないところにこだわって立ち止まってしまうのが一番いけない。
とにかく日々やり続けること、前に進めること。
前へ前へ進めていると、以前できなかったこと、わからなかったことが自然に
出来るようになってくることがある(数をこなすことで)という。
確かに僕のドイツ語の場合でもそういうところはあるなぁと思った。

これは同時に「何かを知る」という意味の学習全般にもそれは当てはまると感じた。
例えば一般的に僕が何かを知りたくて読書をするときにはこのようにしている。
1)とにかく最後まで通読する。個々の意味の吟味は後回し。難しい章や自分には
  関係ない章は飛ばす。ノートなど作らず最後まで読み切る。
  気になる部分、重要と思うところは鉛筆で傍線を引き、特に重要と思うところ
  は文章の上あたりにチェック印を入れる。
2)再読する。この時は必要があればノートを取りながら読む。傍線、チェック
  マークの部分は特に注意して読む。
  飛ばした章は読むかどうかこの時再度判断する。

面白いもので、難解な思想書、社会科学の本などでも無理矢理通読すると、なんと
なく意味が伝わってくる(油断してはいけない。誤読もあり得るので ^^;)
一度通読してその意味を頭に置いた状態で再読すると、俄然分かりやすくなるのだ。
これは通読することでその本の内容について頭の中に概略マップができるからでは
ないかと思う。

そう言えば立花隆が「知のソフトウェア」という本で短い期間で集中的に勉強
する方法として
1)たっぷりお金を持って本屋に行き、その分野の入門書、中級書、上級書を
  まとめて買う。入門書、中級書は数冊ずつ、上級書は入門書、中級書の引用
  文献を見て定評のあるものを買う
2)入門書をあれこれ読む。説明が悪くてわかりにくい、と思ったら即座に
  読むのを止めて別の入門書に当たる。入門書は一冊を何度も読むのでは
  なく、数冊を一度ずつ読む。その後、中級書を読む。
  上級書はどの程度自分が分かったのかを確認する意味で最後に読む。
3)ノートを取りつつ読まない。ノートを作る時は再読する時にする。
  このほうがずっと効率的である。

と書いていた。
効率的に勉強する方法としては優れたものであると思う。