風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

アメリカへ

連休明けにアメリカに出張することになった。
予定は一週間。
行き先はシカゴから北へ数百キロ行ったカナダとの国境に近い小さな町だ。
シカゴからローカルの小さな飛行機を乗り継ぐ必要がある。

実は、僕はこの町に会社に入って最初の海外出張で訪れたことがある。
人口は確か数千人程度。
本当に小さな町だった。
ちょうど11月の感謝祭の頃で、先方の担当者の自宅のパーティに招かれて
生まれて始めて「七面鳥」というものをおそるおそる食べたのだ。
そして日曜日にはそこのご家族と教会に行き英語の賛美歌を口パクでゴマカシ
ながら歌ったものだった。

ああ、、だんだん思い出してきた。
街に黒人がいなかったこと
鹿狩りがとても盛んな土地であること
どこまでも続く麦畑と森林
大きな湖
そして、地平線。

あの時は何もかもが、本当に何もかもが、珍しかったのだ。
僕はこの時まで「海外旅行」をしたことがなかったのだから。
僕のアメリカは、新聞と英会話教材とハリウッド映画の中のイメージでしか
なかった。
その小さな街ではほんとうに良くして貰った。
人々は皆、フレンドリーでジョーク好きで明るく楽しかった。
僕はアメリカが好きになった。

あれからずいぶん時間が経ち、僕はアメリカについていろいろなことを
知り、残念ながら国家としてのアメリカには良い印象を持てなくなって
いる。
あの小さな街は変わったのだろうか?
それともちっとも変わっていないのだろうか?
長い長い間をおいての今回の再訪、少し楽しみなのだ。