風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

ハワイ紀行(2)ガーデン・アイランド

電話のベルの音で飛び起きた。
時計を見ると午前4時半。
あ、そうだ、これはモーニングコールなのだ。
眠い目をこすりながら僕はベッドから出た。

カウアイ島はハワイ諸島でも西に位置する島。
通称ガーデン・アイランド、緑あふれる島と聞いている。
これまで主要四島のうち、オアフ、ハワイ、マウイの三島は既に訪れているので
今回はカウアイ島に行くことにしたのだ。

ほんの30分ほどの短いフライトでカウアイ島のリフエ空港に着く。
飛行機を降りた瞬間、他の島より濃い緑の匂いを感じる。
どんな土地でも空気にはその土地固有の匂いの微粒子が含まれている。
カウアイ島の場合、それは湿り気と緑の微粒子だった。

島の南側を西に向かって走る。
右手(島の中央部)にあるワイアレアレ山は雲がかかって山頂が見えないが、
実は降水量世界一の山だ。平均降水量は10000〜13000ミリ(東京の平均降水量
のおよそ10倍!)。海から立ちのぼる水蒸気を存分に含んだ熱帯の空気が
ワイアレアレ山にぶつかり、上昇して空気の露点が下がると含んでいた水蒸気
を保持しきれなくなって、雨粒になり地上に落ちる。
単なる自然現象ではあるけれど、あまりにもけた外れの降水量だ。
(写真の奥の雲にかくれた部分がワイアレアレ山)

カウアイ島はホノルルと違い、ごく素朴で静かな島と感じられる。
あちこちにブーゲンビリア、アフリカチューリップなどが咲き誇っている。
美しい緑と原色の花たち。
そして、激しいコントラストを見せる火山赤土。
これがカウアイ島の印象だ。
このコントラストが一番極端に出ているのがワイメア峡谷(写真下)。

ここは「太平洋のグランドキャニオン」と称される大きな地溝で、標高差は
1100m。カウアイ島はごくごく小さな島なのだが自然は雄大だ。
こんな地形は日本にはない。
少し雲が多くて残念だったが、谷底の深さは吸い込まれるよう。

途方もない量の雨はこの島に豊かな水をもたらしている。
ハワイ諸島最大の川であるワイルア川は観光船でさかのぼれるのだ。
見るとあちらこちらにカヌーを楽しむ人がいる。
美しい海があるのに、なぜわざわざ川を?とも思うが、海と違って安心感が
あるのだろうか?


川を遡って「シダの洞窟」へ(写真上)。
ここはかつてハワイの王族の聖地で結婚式や集会を行う場所だった由。
多くのシダが垂れ下がり水が落ちる不思議な洞窟だけれど、今は観光スポット
化していて正直なところあまり印象はない。それよりも僕は洞窟に至る原生林
の植生の豊かなことに驚いた。
まさに熱帯のジャングルの雰囲気だ。
以前歩いたアマゾン流域のジャングルを思い出す。

ハワイの島にはそれぞれ個性があって面白い。
カウアイ島についてはもっとゆっくりコテージでも借りてステイしてみたい
所だ。観光スポットを駆け足で歩くだけではこの島の良さはわからないように
思う。事実、ホノルルからリフエへ飛ぶハワイアン航空の機内誌にはワイメア
峡谷からさらに奥に入ったコケエ州立公園の植生と虫たちの生態がいかに面白
いかについて書いてあった(この機内誌を持ち帰らなかったのは失敗)。

またいつか、もし機会があったらこの島をまた訪れたい。
こんどはもう少しゆっくりと滞在してゆっくり過ごしてみたいものだ ^^

# こちらで掲載できない写真は写真ブログ「Photo Album」に逐次掲載してゆきます。