風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

ハワイ紀行(1)アメリカについて

慌ただしく不機嫌さに満ちた日常から逃れるようにハワイへやってきた。
これから3日間で思い切りリフレッシュするのだ、という決意と共に。
気温は21℃。予期していたよりもやや低い。
しかし、湿度が低くとても快適な天候だ。

初日、まずワイキキビーチからいつも見えるハワイの名物のダイヤモンドヘッド
(下の写真の矢印)のてっぺんまで登ってみることにした。
登山口までバスで20分ほど。
そこで1ドルを払っててくてくと登る。

ダイヤモンドヘッドは実は火山の噴火口(火口丘)の一部だ。
パイ皿のような縁が切り立ったクレーターの一番高く盛り上がった突起が
ダイヤモンドヘッドで、登山口はクレーターの中央部にある。なので、
登り道は最初は大した傾斜ではないが途中から急にきつくなり階段を
うんうん言いながら登らないといけないところもある。
(火口の内側から見たクレーター壁はこんな感じです)

登山道の周辺の植生はとても興味深い。
見たことがないようなマメ科と思われる植物が沢山生えているし、野生
(?)の文鳥や頭が赤い鳥がいて目を楽しませてくれる。
登り40分の行程でダイヤモンドヘッドの頂上に着いた。
さすがにここから見下ろすワイキキビーチは美しく絵はがきのようだ。
ここで水を飲み風に吹かれて一休み。

さて、ワイキキビーチの眺めを堪能した後、帰りの下り道でアメリカ人たち
とすれ違いながらふと気づいた。
彼らは例外なく『太っている』。
特に中年以上の人たちについてはそれが顕著だ。
その太り方は日本人の太り方のレベルから遠く離れて半端じゃなく太っている
のだ。アメリカ人が普段食べている食事は量が多いし、脂肪と糖分の摂取量は
日本人の比ではない。だから太ってしまうのは必然とは思うけれど(だからこそ
一定以上のポジションや収入を得ている連中は必死でダイエットとエクササイズ
に取り組んでいる。この必死さもなんだかおかしい)気になったのはこの『一様に』
という点だ。

体重の話に留まらず、最近のアメリカ人やアメリカ社会からは「多様性」という
ものがなくなり、ますます均一化しているような気がしてしかたがない。
皆が皆ハンバーガーを食べてコーラを飲み、ハリウッドの映画に興奮して涙を流し、
野球やアメフトに熱狂し、タバコを吸うことを毛嫌いし、妻と家族を愛していると
人前で言い続け、余生はフロリダで悠々と過ごしたいと考え、アメリカの正義は
世界中で通用すると信じているのではないか?と錯覚してしまうほど「一様」な
印象を受ける。
それは昔の日本人のステロタイプ化されたイメージ(エコノミック・アニマル)と
共通の部分もあるのかもしれないが。。。

僕のイメージでは昔のアメリカには「自由」と平行して「多様性の尊重」という
イメージがあったように思うのだ。今は「アメリカン・ハピネス」という幻想的
尺度のもと「一元化」が進んでいると見るのは穿った偏った見方なのだろうか?
そしてアメリカはその幻想を我々に「輸出」しようとしてもいるようにすら
感じるのだが。

そんなことをつらつら考えるうちに、ハワイ旅行の初日が過ぎていった。

# こちらで掲載できない写真は写真ブログ「Photo Album」に逐次掲載してゆきます。