風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

理系、文系

僕は大学時代、理系だった。
それが就職してからこのかた取引先は理系が多いけど、基本的には文系の社会で
生きている。
だいたい僕は就職するまで「文系の優秀な人」というのに縁がなかった。
だから、会社に入ってそういう人に出会って、心底凄いなぁ〜と感心してしまった
のだ。色分けするのも何だが、この二つの人種(?)には明らかに違いがある。

私見によれば「理系的優秀さ」は「論理的思考力・判断力」に重心があり、
「文系的優秀さ」は「論理だけで判断できない事柄に対する総合的思考力・
判断力」に重心があるように思う。
会社に入って「理屈で割り切れないファクターや社会的バランスを勘案して、
本当に正しい判断を下せる能力を持った人(=当時の上司)」に出会えたのは
本当にいいことだった。その上司はよく「有機的な思考力を身につけないとこの
世界ではやっていけない」と言っていた。
そして、僕の教育の為でもあったのだろう、海外の取引先との複雑な交渉の原稿
を添削されたことが何度かあった。僕が半日呻吟して考えて作った原稿は5分で
赤字だらけで帰ってきた。
それも表現とかそういう問題ではなく、根本的な考え方を直されて。
「君はどうしてこんなに頭が悪いの?」とまじまじと顔を見て真剣に訊ねられた
こともある。
いや、、、そう聞かれても、僕には返事のしようもなかった ^^;

本当に良く鍛えて貰った。感謝している。
それでも僕の思考パターンはまだまだ理系的な部分が色濃く残っていて「あっ、
こりゃまずい!」とあわてて考え直すことが多々ある。

本を読んでいても著者が理系ベースの人か文系ベースの人か、結構わかるもの
ですね。例えば立花隆大前研一なんかの本を読むと理系ベースの人だ、という
のを強く感じる。文系の人の根底にある「論理や合理性への不信感」が匂って
こないのだ。匂ってこないからその緻密な論理や博学ぶりには感心はするけれど、
反面「それでいいのかな? 本質的な部分がちょっとまずいんじゃないの?」と
思えてしまうのだ。

だから理系の人には悪いけど、僕は社会のトップには是非、文系の人に座って
貰いたいと思っている。
もちろん「【優秀な】文系の人」に、ですね ^^;