風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

花の名前

Photo Albumのほうで日々のデジカメ写真をアップしている。
そこには花や蝶の写真も時々アップしているのだけれど、僕はこれまでそういうものに
さほどの興味を持ってこなかったので、名前がわからないことが多々ある。
そういう時は、まずはインターネット花図鑑だとか植物図鑑を当たって名前を調べてみて、
それでもわからない時は『名前のわからない花』なんて題名をつけてアップすると、
ちゃんと詳しい方がコメントで名前を教えて下さったりする ^^
そういう積み重ねで、少しずつ少しずつ知っている花の名前も増えてきた。

そうすると俄然、歩いていても楽しくなる。
被写体がないか、と常々注意しながら歩いているのだけれど「あ、ヌスビトハギだ」
とか「ヒメアカタテハが飛んでる!」とか思うわけだ。それは「あ、ピンクの小さい
花だ」とか「オレンジと黒と白の模様の蝶だ!」と思うのとはやはり違う。

名前を知る、ということは未知の世界から、その事物を自分の世界に引き入れるような、
そんな効果がある。それらのものは、名前を知らない間はごく一般的概念から分離でき
ない。
一般的なピンクの花、一般的な蝶。
それでは僕の世界の中で「特別な存在」になれないのだ。
一つの名前を覚えるたびに、僕の世界に一つの特別な意味が加わる。
そうやって、僕の親しいものが少しずつ増えてゆき、僕の世界が微妙に広がってゆく。
それが、なんとも愉快でたまらない  ^^

皆さんもご経験があるのではないでしょうか。
空に輝く数千の星たち。
ただランダムに並んでいるように見える星たちも、星座を覚えるとそれは自分にとって
「特別な親しいもの」になる。
場合によっては、とても意味あるもののように見えてくる。

いきなり飛躍する連想。
サン・テグジュペリの「星の王子様」で、きつねは「”飼い慣らす”ことは”仲よく
なること”だ」と王子様に言う。

【引用始まり】 ---
うん。そうだとも。
おれの目から見ると、あんたは、まだ、いまじゃ、ほかの十万もの男の子と、
べつに変わりない男の子なのさ。
だから、おれは、あんたがいなくたっていいんだ。
あんたもやっぱり、おれがいなくたっていいんんだ。
あんたの目から見ると、おれは、十万ものキツネとおんなじなんだ。
だけど、あんたが、おれを飼いならすと、おれたちは、もう、おたがいに、
はなれちゃいられなくなるよ。
あんたは、おれにとって、この世でたったひとりのひとになるし、おれは、
あんたにとって、かけがえのないものになるんだよ・・・
【引用終わり】 ---

きつねが言っているのはもちろん、人と人(人と獣?)の絆のことだけれど、人と事物
の間でも名前を覚えることで”特別なもの”としての絆ができ、自分の世界への組み入れ
が起こるのだろう。
これから、もっともっと、草花や昆虫の名前を覚えていこう。
そうすれば、僕の、この世界はもっと広がるに違いないのだ ^^