The Hubble Atlas of galaxies 〜 僕の宝物(1)
誰にでも、自分にとって特別の意味のあるもの、大切なものがある。
他の人からみたら「何、それ?」というようなものかもしれないが、僕に
とっては「大切なもの(宝物)」のいくつかについて書いてみたいと思う。
今日はもう随分昔に個人輸入した「The Hubble Atlas of galaxies」という
本(写真集)、通称「ハッブル・アトラス」を取り上げてみたいと思います。
宇宙に興味のある方なら「ハッブルの法則」をご存じかもしれない。銀河系の
外にある『銀河(昔は小宇宙、とか島宇宙と読んでいた)』はどれも地球から
すごいスピードで遠ざかっている、その速度がすなわち宇宙の膨張を意味して
いて、煎じ詰めれば宇宙には始まりがあり宇宙には果てがある、ということを
示唆するのが「ハッブルの法則」。
これを発見したのがエドヴィン・ハッブルという天文学者だ。
一方、ハッブルという人は銀河の進化、形態論も研究していて銀河はもともと
楕円形をしているものが進化して渦巻き状になる、という銀河進化論を唱えて
いた。そして、それを立証するために数十年にわたって多くの銀河の写真を撮
り続け分類したのだ。
その銀河の写真集が「ハッブル・アトラス」。
この本には沢山の遠い銀河の写真と、それについての詳細なデータ、特徴の
記述が記載されている。全て古い白黒写真で、現代の日本の「すばる望遠鏡」
や「ハッブル宇宙望遠鏡」で撮影されたものほど鮮明ではない。しかし、
アマチュア天文ファンとして天体写真を撮っていた当時の僕には「ハッブル・
アトラス」は一つの目標だった。もちろんこれと同等の写真は撮れないけれど
アマチュアがどこまで迫れるか、というゾクゾクするような楽しみを与えて
くれていたのだった。
今、僕は星を見に行くことがほとんどなくなってしまった。
それでも、時折、この写真集を開くのはとても楽しい。
銀河や星々の写真を眺めていると、ふっと心が解放されるのを感じる。
いつかまた、僕が天文学の楽しみに回帰する日が来るかもしれない ^^
# 左上に写っている「銀河の発見」も素敵な本だ。
ハッブルを含む20世紀の天文学者がどうやって宇宙の構造を明らかに
してきたかを書いた本なのだが、文章より収められた写真が素敵だ。
レトロな格好をした20世紀初頭の天文学者達の観測風景や書簡、
まるで古い鉄橋のように仰々しい昔の大望遠鏡の姿など、眺めていて
飽きない。
- 作者: Allan Sandage
- 出版社/メーカー: Carnegie Inst of Washington
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