風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

結婚の本質

根っこからいこう。
なぜ結婚という制度ができたのか、考えてみる。

恋愛というのは非常に強い不安定な感情だ。相手をどうしても独占したい
「この人の為だったら【家族だって、共同体だって】何だって捨てられる」
という強い感情。でも、ちょっと待ってください。そんな感情、野放しに
しといていいんですか? ^^; 野放しにしたら家族も、小さなコミュニティ
も、ひいては国家という共同体の運営すらやっかいになるんじゃないですか?
恐らくそんなことから、人類は自然発生的に「結婚」といううまい仕組みを
作ることになったに相違ない。

結婚とは「危険で不安定な恋愛感情」を囲い込んで「安定した家族愛」に
変換するための「社会的仕組み」なのだ。そこで子供などできればますます
都合がいい。「子供の成育」という共同体にとっても重要な社会的仕事に
恋人達は新しい生き甲斐を見つけて、恋愛感情はおだやかで安定した家族愛
に自然に変わっていくことだろう。<
恋愛が続くには「緊張」と「困難性」と「不安定さ」が欠かせない。ところ
が結婚するとその二人は公式に性的なパートナーとして認められる。同居
できるし、好きなときに好きなようにセックスができる。また同居すること
で今まで隠れていた生活の裏側やいい加減さも、相手に暴露されることになる。
生活の中で徐々に「緊張」と「困難性」と「不安定さ」が失われてゆくのだ。

女性は本能的に恋愛の継続には「緊張」が必要であることを知っているから、
結婚しても知恵をしぼってそういう状況を作ろうとする人もいる(ちょっと
した嫉妬、拗ねてみせる、あるいは自分の全てを見せず、謎を残し続ける努力
など)。しかし、男のほうは問題だ。ハナからそんなつもりなどなく努力も
しない。恋愛が二人でするものである以上、女性だけいくら努力したって
どうなるものでもない。かくして、二人の間は「恋人」から「夫婦」に落ち
着いてゆく。ちょうど空に上がった風船のガスが徐々に抜けて、最後は地球
の重力に負け、地表に静かに着地するように。

「結婚しても相手にずっと恋していたい」なんて思いを聞くことがある。
(こう言うのが必ず女性なのがとても興味深い。男はちっともそう思って
いない何よりの証拠だ。)以上のような理由で、それは本質的に無理だと
僕は思っている。それでもパートナーを「大切な人」と認識して家族とし
て「愛する」ことはできる。
ワクワクドキドキ「恋する」ことはできないとしても。