風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

真実は中庸の中に

心が真っ白な人なんて、いない。
逆に心が真っ黒な人もいない。
みんな、実のところ半分半分、だ。
いやそれは言い過ぎ、か。
ある時は45:55になったり、ある時は55:45になったりはする。
せいぜいその程度。
これまでいろいろな人と接してきて、僕はそう思う。

自分の心には黒い部分はほとんどない、と思っている人は傲れる者だし、
自分には白がまったくなくて黒ばかりだ、と思ってる人は認識不足で
卑下が過ぎる。それと同じで、人の心には黒い部分なんてほとんどない
から善意はいつも通じる、と思ってる人は超楽観主義者のめでたいヤツ
だし、他人の心は黒い部分だけだ、と思ってる人は、超悲観主義で疑心
暗鬼の他人恐怖症だ。

そういう意味でのバランス感覚を欠いてる人が世の中に多いな、という
のが僕の率直な印象。例えば恋人が何を考えているの?と考える時も
「狡いか誠実か」みたいな二分法で考えるのはやめましょう。
あなたの恋人は恐らく「半分狡くて半分誠実」です。
それが普通の人間ですから。

自分の心を今すぐ真っ白にしようと半狂乱になっている人は諦めたほう
がいい。潔癖性に過ぎます。適度に雑菌・悪玉菌が存在しないと生物は
生きて行けない。それと同じです。
自分の心をひたすら見つめるより、しっかり毎日の生活をしましょう。
あなたには「自分は真っ黒」に思えても客観的にはせいぜい45:55
です。それも、たまたま今、黒側に振れているだけのこと。
いきなり「真っ白」なんて思わずに、少しずつ、少しずつと思いましょう。
根気よく慢性の病気を治すように。

逆に、どうせ人間なんて欲得ずくの真っ黒よ、欲望のままに生きるのよ、
何が悪い!と居直って生きるのはもっとやめたほうがいい。
人相が悪くなって、なおかつそれは直しようがないです。
実例には事欠きませんが、歳をとってからひどく惨めです。
せめて少しずつでも自分を白くするような方向で、努力しましょう。

時計の振り子のように、左右にふれまわって大騒ぎをする人生もある。
しかし、そのエネルギーのほとんどは「無駄」に使われている。
エネルギーはもっと有効に使うべき、と思うのですが、如何でしょう?