風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

本を読むのは

僕にとっては、哲学も心理学も社会学も自分と自分の周りの世界を理解する為の「ツール」にすぎない。なので、僕自身が生きる上であまり役に立たない哲学(一部のポストモダン思想など)や、研究のための研究のような心理学には正直なところ興味がないのです。
もちろん、人が生きる上で直接役に立たない学問が無意味だ、と言っているのではない。たとえば天文学や音楽や文学については、生きることに直接役に立たなくても僕に喜びと楽しみを与えてくれ、さらに大きな啓示を与えてくれることさえあるのだ。

自分がどう生きるか、どう世界を理解するか、そんなことは自分ひとりで考えるだけで十分、わざわざ本を読んだりする必要なんてない、という方も当然いらっしゃることと思う。そういう考えも十分に理解できるし、僕だって本当はそうなのかもしれない。ただ、いろいろな本を読んだり、いろいろな先達の言葉を目にすると、自分では到底及びもつかないようなこと、自分が解答を見つけられなかったことに対するヒントや答が書いてあったり、思考の良いスタート点になったりする。それは当たり前で、僕などより遙かに頭のいい人たちが時間をかけて深く思索した上での結論や過程が時間というフィルターに濾過されたものがそういった書物に記された言葉たちであるからだ。

そういった言葉たちにインスパイアされつつ僕はあれこれ考える。
もともと素直でないのかもしれませんが、書いてあることをそのまま信じる気持ちにはどうしてもならない。自分の頭で考えて何度も咀嚼しなおして、それでやっとこさ理解できる。時間はかかるし効率は悪いけれど、僕にはこのやり方が一番納得が出来るやり方のようです。同時に、そうやって考えることは僕にとっての「大きな楽しみ」であるようにも思います。

最近はもう「早く答を見つけたい」とは思わなくなりました。
ゆっくり歩きながら、答を探してゆく。
風景や道ばたの花を眺めながら道行きを楽しめるような、そんな心境になりつつあります 。