風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

同郷

昨夜、会社の人たちと飲んでいたのだけど、その時の話。
テーブルに料理やお酒を運んでくる女性と話した時、言葉のイントネーション
にひっかかった。あれ?と思って聞いてみると、僕の出身地のすぐ近くから
出てきているんです、とのこと。

彼女は音楽をやりたくて単身で頑張っているそうだ。年齢は24歳。イン
ディーズでCDも出しています、有名な商業施設のキャンペーンソングを
歌ったこともあるんです、と言う。

彼女は音楽の専門学校を出た後、夜、居酒屋でバイトをしながら、CDを
出したり、ライブをやったりして活動しているのだそうだ。
いつかビッグになること夢見ながら。
ふーん、と感心する。
(僕は、何にでも感心しやすい男なのです)

話をするうちに、歌を聞いてみて下さい、といって、iPODを持ってきた。
聴いてみると、さすがに上手だ。パンチが効いていて素人とは全然違うことは
よくわかった。全く僕の好みのジャンルの音楽ではないのだけれど。

やるね、上手いね、と言うと、こんどはCDを持ってきた。
もし良かったら買ってもらえませんか?と言う。
インディーズだけど、綺麗なジャケットで全く市販CDそのまま。
HMVやタワーでも買えますけど、と胸を張る。
でも、他の酔っぱらいおじさんたちは、わぁわぁと彼女をからかうだけなの
です。
ちょっとイヤですね。

僕はなんとなく、彼女を応援したくなった。
同郷のよしみ、というのもあるけれど、夢にかける姿勢とか、飲み屋でバイト
しながらでもという根性とか、なんとなく応援したくなってしまったのです。

で、買いましたよ、彼女のCD。
周りは「こいつは馬鹿だから3枚買うよ3枚!」などと言ってましたけど、
僕は頼んでCDにサインしてもらいました。
「10年後お宝になってるかもしれないね」と僕が言うと彼女は
「もちろん、そうなりますからね!」と笑顔を返した。

まぁ、人によっては「引っかかったね」という人もいるでしょう。
でも、万が一、仮にそうであってもいいじゃないですか。
僕は誰の世話にもならず一人で頑張る若者を応援できることが嬉しかった。
改めて彼女のCD、ちゃんと聴いてみたいと思っています。