風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

内と外

英国の生地で仕立てたスーツを着て、きちんと磨いたスコッチグレイン
靴を履き、アクアスキュータムのトレンチコートをはおる。
コロンはサンローラン。
これが仕事に出る時の僕の格好。

「awayさんはスーツが似合う。オシャレだ。」とよく言われる。
でも、それは当たり前だ。
そのために高いお金を払って、わざわざ体に合わせたスーツを仕立てて
いるんだから。僕だってつるしの背広を着て、5000円のスリッポン靴を
履き、ポリエステルのネクタイをしていていたら、また違って見える
だろう。

・ネクタイを締めた時にはディンプルをかならず作る
・間違ってもネクタイピンはしない
・スーツの色、シャツの色とネクタイの色・柄を注意深く合わせる
・服にはきちんとブラシをかける。
・髪を毎日きれいに洗って、へんな癖などがつかないように気を配る
・バックルがブランドのでかいマークになってるベルトをしない
・爪をいつも短く切っておく
・背筋を伸ばして大股でしゃんと歩く

こういうコードさえ守っていたら男の場合、オシャレ偏差値60ぐらいは
簡単に達成できる(それに比べて女性は大変だね)。
つまり何が言いたいかというと、男の場合は外見を磨くことなど、多少
の気持ちとお金さえあれば、誰にだってできる、ってことだ。

しかし、問題は内面のほう。
内面は残念ながら、簡単に磨くことは不可能。
それに、恐ろしいことに男の内面は顔にもろに出る。
男の場合、女性と違って(一般的には)化粧ということをしないので、
顔のごまかしがきかない。さらに喋ったり何か動作を行うと、内面はます
ます顕在化する。その部分でのボロは、いくら外見をきっちりしてオシャ
レ度を上げても一発で帳消しにするだけのマイナスパワーがあるのだ。

内と外、どっちが優先?なんて、まことに愚かしい質問だ。
そりゃあもちろん、人として充実を目指すべきは「内面」に決まってる。
僕も自分の「充実していない内面」をどうやったら少しでもマシにできる
か、日夜、苦闘しているのだ。

しかし、だ。
僕は男性諸子に声を大にして言いたい。
外面を磨くのなんか実に実に簡単なんだから、もうちょっと努力すれば?
「俺は内面で勝負だ」なんて言うのは根本的に傲慢だし、一生懸命お化粧
して涙ぐましい努力している女性に失礼だと思うのは僕だけなのだろうか?