風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

東京暮らし雑感

東京で暮らしていて、何度も何度も痛感すること。
それは「大阪なんて所詮大きめの地方都市にすぎない」ということだ。
東京はやっぱり日本の首都だけあって、全てがある。
恐ろしく安くてジャンクなものから、恐ろしく高級で最高の品質のものまで。
その幅の広さと種類の多さは半端じゃない。

最近、家内は健康のことを考えてスーパーでなく駅ビルに入っている肉屋や
八百屋で食材を買ってくれているが、値段は目が飛び出るほど高価いけれど
猛烈に品質がいい。その野菜や肉の美味しさ(こんなに違うものかと本当に
びっくりした)には驚嘆させられるし、同じ品質のものを大阪で手に入れよう
と思うと、専門店かデパ地下しかないだろう。
僕のような「たまたま数年間だけのバブル」ではなく、普段からこんなもの
を買って、当たり前のように食べられる人が沢山住んでいる街が東京なのだ。
思えば僕が入っている借り上げ社宅の家賃だって相当なものだけれど、同じ
棟に小さな子供連れの夫婦が入っている。自腹でここに入居できるとは、
あの若さでいったいどれだけの年収があるのだろう、何の仕事をしているの
だろう、と目を疑う。(ちなみに僕の入っているマンションの駐車場には
ベンツとBMW以外はとまっていない)
そうかと思うと一方では超巨大スーパーもあって、そこの価格は驚くほど
安く(家内曰く、大阪の自宅近くのスーパーの価格の7割程度とか)低収入
の人でも生活しやすくはなっている(家賃だけは別として)

僕なんかは所詮「雇われ取締役」でいずれ任期が終わったら大阪に戻り、
そのうち、つましい年金暮らしに入る。その時僕の「肥えてしまった舌」は
元に戻ってくれるだろうか。幸いなことに僕の大阪の自宅近くには東京の
ような高級食材店はなく、普通のスーパーと普通の食料品店だけしかない。
あの「東京で過ごしたスペシャルでバブルな数年間」を懐かしみつつ暮らす
ことになるが、それでいいのだと思う。
僕は庶民の出だから、庶民に帰るのだ。